最近、子供の英語だけでなく「私の英語も何とかしたい」というご相談をよくいただくので、今日は、大人の英語学習について書いてみます。
◆
子供がおうち英語で第二の母国語のように英語を習得する場合も、大人が外国語として英語を学習する場合も、ゴールは、英語を「無意識の領域で操れる」状態です。
心に浮かんだことを伝えるのに、「えーっと、えーっと」と単語を思い出し、「この過去形は…」などと文法を考えながら話しているようでは、「使える英語」とは言えません。
相手の言うことを聞く時や英語の本を読んでいる時も、いちいち日本語に訳したり、単語や文法を意識していたら、何を言っているのか、何が書いてあるのか、なかなか理解できません。
ですから、「無意識の領域で」反射的に反応できるところまで習得していく必要があります。
◆
そのために必要なことは４つ、「音声の処理」「知識の自動化」「構造の理解」「反復練習」です。
子供がおうち英語（英語育児）で第二の母国語として英語を習得して行く時には、この４つを自然にこの順番で行っていきます。
大人の場合は、「音声の処理」「知識の自動化」「構造の理解」の３つが必要で、そのためにそれぞれで「反復練習」をするのですが、めんどくさいので（笑）ここでは単純化して４つ必要、ということにしておきます。
◆
「音声の処理」とは、英語の音を日本語の音に変換せずに、英語の音のままで処理することで、「大人のおうち英語（まずは発音）」にも書いたように、大人もまずは発音をマスターして「音声の処理」から始めると効率が良いです。
こちらも参考にしてください。
「大人のインプットはまず発音から（バイリンガルの育て方・その４）
◆
そして、「音声処理」ができるようになったら（あるいは「音声処理」のためのトレーニングと並行して）、英語回路を身につけ、語彙を増やしていくのですが、そのゴールが「知識の自動化」と「構造の理解」であり、そのゴールに到達するために「反復練習」（さまざまなトレーニング）をしていきます。
参考記事
「大人が英語回路を身につけるには」
「大人のインプットはアウトプットで（バイリンガルの育て方・その５）」
「アウトプットする学習法（バイリンガルの育て方・その６）」
◆
このうち「知識の自動化」とは、単語や文法などの「知識」として持っているものを無意識の領域に落とし込み、考えなくても「自動的に使える状態」まで持って行くことです。
そのためには、単語はいろんな場面、状況で何度も出会い、頭に深く刻み込んでいくような暗記が必要になります。
逆に文法は、（大人の場合）一度しっかり自分の頭で理屈を理解する必要があります。
◆
おうち英語（英語育児）で、英語を第二の母国語として習得する子供たちは、その過程で語彙も文法も自然に自動化していますので、成長してから必死に勉強する必要がありません。
厳密に言えば、大人も子供のように（勉強としてではなく）自然に習得することは可能ですが、それには日本語を一切シャットアウトした環境で膨大な英語に触れる時間がないと難しいので、現実的ではありません。
留学などで英語ができるようになるのは、こういった環境に身を置けるからですが、日本で普通の生活を送りながら英語を上達させるには、一度しっかり頭で理解する方が近道です。
◆
また「構造の理解」というのは、英語の構造を理解し、英語の語順のままで情報を処理していくことなのですが、これも大人の場合は、しっかり頭で理解する必要があります。
やり方は、「中学生以上のバイリンガル指導」に少し触れましたので、参考にしてください。
◆
英語学習とは、この「音声処理」「知識の自動化」「構造の理解」を進めるために、「反復練習」（トレーニング）をやるということなのですが、トレーニングを行う際には、自分が何のためにそれをやっているのか、意識しながらやらないと、やり方が間違ってしまったりして、効果が低いです。
例えば、「シャドーイング」というトレーニングがあります。
これは、いろんな目的のために使われるトレーニング法ですが、「音声処理」のためにやる時と「知識の自動化」のためにやる時と「構造の理解」のためにやる時では、素材もやり方も変える必要があります。
その辺のやり方についても、ご要望が多ければ、いずれまた書いていきたいと思います。
☆ ――――――――――――――― ☆ ――――――――――――――― ☆
「おうち英語で子供をバイリンガルに育てたいけど、一人でできるかどうか不安」というお母さん（お父さん）のために「おうち英語の会」をやっています。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
☆ ――――――――――――――― ☆ ――――――――――――――― ☆
「おうち英語」アンケートにご協力ください！ ⇒ 詳しくは「コチラ」
アンケートに答えてもいい、という方は ⇒ 直接「コチラ」へ
ついでにこちらも、応援クリックいただけると励みになります。
→ 親子英語・バイリンガル育児
