オンラインコミュニティ「おうち英語の会」のご紹介

暗唱しない子の暗唱の取り組み

バイリンさるのサラミ
今日は、昨日の記事の続編です

 

昨日は、パルキッズ「アイキャンリード(I Can Read!)」を使った読解力育成法 という記事を書きましたが、暗唱については、

うちの子は、一切暗唱をしません。全然頭に入ってないんでしょうか?

というご質問や

うちの子は、暗唱させようとしても一切拒否です💧

というご相談もよくいただきます。

そこで、今日は、こちらにお答えしていきます。

 

幼児の暗唱は「させるもの」ではなく「音と文字のインプット」

このブログでは、英語を「無意識に習得させる」ための「おうち英語」をご紹介しています。

そのためには「自我の抵抗に遭わない」ように気をつける必要があります。

「自我」には個性があり、好き嫌いがあり、ヤル気の源になる一方、分からないものや気に入らないことに抵抗するのも自我です。

英語を「楽しい」と思ったり、覚えた英語を披露してくれるのは自我ですが、自我は英語を習得しません。

英語そのものを習得するのは「無意識」です。

 

一方、「アウトプット」は自我がするものです。

つまり、習得した英語を外に出す(アウトプット)には「自我」が必要です。

英語の暗唱は、アウトプットですので、自我がその気にならないとできません。

自我が嫌だと思えば抵抗します。

 

でも、音を聞かせていれば、無意識での習得が進み、そこにその音を再現した文字を見せることで、音に相当する「文字のインプット」になります。

つまり、暗唱の取り組みとは、「暗唱させる」のが目的ではなく、「音のインプットとその音に対応する文字のインプットをする」ことで、その意味では「読み聞かせ」と同じです。

ただ、母国語でない言葉で読み聞かせをすると、そもそも間違った音のインプットになってしまうので、ネイティブ音源をしっかり耳に入れることが望ましく、そうしたことを取り組みとして体系化してあるのが、昨日ご紹介したアイキャンリードのような暗唱用絵本です。

ですから、親御さんが英語が得意だったり、プリスクールなどでネイティブの先生にたっぷり読み聞かせをしてもらえれば、絵本の暗唱をしなくても、それで十分かもしれません。

 

考えてみれば、「絵本の暗唱」と聞くと子供に「暗唱させなければ」と思うのは当然で、この言い方が良くないのですが、おうち英語の「絵本の暗唱」の主目的は「暗唱させる」ことではなく「音と文字のインプット」ですので、かけ流しと同じく、インプットさえしておけばよく、アウトプットを強制する必要はありません

アウトプットを強制されると、絵本読み自体が嫌になってしまいますので、あくまでも自然に暗唱できそうだったら(読めそうだったら)「やってみて」と促しますが(そして、口に出してくれたら、会話力アップにもつながりますが)、無理やりやらせる必要はなく、一言も発しなくても気にせず、1ヶ月経ったら次に進みます。
(詳しくは → 絵本の読み聞かせと暗唱(または音読)について

 

「一言も暗唱しなくても良い」んだったら、そういう意味では「絵本の暗唱」というのは、言い方が良くないのですが、ただ、アウトプットを引き出すのは、やはり絵本の暗唱はやりやすく、そういう意味では「できれば暗唱まで持っていきたい」ので、やっぱり「絵本の暗唱」という言い方になるのかな?と思います。

ですから、「自我の抵抗に遭わず、できれば自我に張り切ってもらって、なるべく子供に暗唱してもらう」ように工夫できれば、それが一番だと思います。

でも、工夫してみてもうまくいかない場合もありますので、そんな時は、暗唱するしない(アウトプット)にこだわらず、ひたすら音と文字のインプットを続けていけば、やがて「洋書の読める子」に育っていきます。

 

我が家で力を入れてきたのは「かけ流し」と「絵本の暗唱」と「お楽しみ」

うちには、バイリンガルに育った娘が2人いますが、長女が小4の夏にアメリカに行くまでは、細々とおうち英語だけでやってきました。

長女が小学校に入学してからは、家で英語をしゃべることもなくなり、自分でも「もう英語しゃべれなくなった」と言っていて、英語の本を一人で読むということもありませんでした。

アメリカに行った時は夏休み中だったのですが、夜中に目を覚まして「英語が分からないから学校でいじめられる」と泣いていたぐらい、本人(の自我)は、自分が英語ができるとは思っていませんでした。

でも、学校が始まったら、現地校で小5の長女、小1の次女ともに、英語がなぜか分かり、会話だけでなく、教科書を読むのにも苦労はありませんでした。(渡米当時の読みの様子は → 現地校での読書とその後・我が家の場合

 

そんな我が家でやっていた「おうち英語」は、「かけ流し」と「絵本の暗唱」と「お楽しみ」です。

子供の視点で言うと、家では毎日、かけ流しの英語が流れていただけで、あとは好きなビデオを見たり、好きな絵本を読み聞かせてもらったり、時々(フォニックスの)楽しいゲーム(Starfall の ABCs)をやったりしました。
(あと、嫌になって激しく抵抗するまでは、プリントやドリルもさせられてたなー)

小さい頃は家の中で英語を話してたらしいけど(本人は覚えてない)、お母さんが英語で話しかけたり、英会話レッスンを受けさせられたりもしなかったので、そのうち家では英語を話さなくなって、アメリカに行く時には「英語は話せない」と思っていました。

月に1回、絵本の暗唱発表会をさせられ、ビデオに撮られました。(当時のビデオは → コチラ

今見ると、全部ちゃんと言えてる訳じゃないし、お母さんによると、最後まで読めない本も結構あったらしいです。

アメリカで「English」の時間があったけど、日本の学校で習う文法とは違うし、日本の学校でやる文法や単語テストは苦手です。

でも、英語のテスト自体は解けるので、英語があって助かってます。

 

こんなところでしょうか。

長女は字を読み出すのが遅く、絵本の暗唱は、いつまでも音を頼りにやっていたのですが、だんだん絵本が長くなると、覚えていられないので、完成度の低いものも増えてきました。

当時は私もモヤモヤしていましたが、きちんと読めない本が残っても、毎月次に進むように、という指導だったので、素直にそうしていました。(これは、今思うと、そもそも「音と文字のインプット」だからそれで良かったのだと分かります)

その後、小学校に上がってから「パルキッズジュニア」をやることで、一人でも読めるようになりましたが、日本にいる小4までは、自分で洋書を読むということはありませんでした。

 

話を戻すと、幼い頃の取り組みとしては、そんな感じのインプット中心でしたが、「お楽しみ」として英語の番組は喜んで見ていましたし、絵本の読み聞かせも喜んで聞いていて、そんなこんなで、アメリカに行った時には、会話も読み書きも苦労のない状態になっていました。

 

帰国した後は特に英語保持の取り組みをせずに5年以上経ち、現在、長女は高3、次女は中3で、揃って受験生です。

会話は慣れればすぐに取り戻せると思っているので、会話系のことは何もしておらず、そのため話す力は衰えていますが、読むのが得意なおかげで、学校英語や受験英語の苦労は一切ありません。

「自我」ではなく、幼い頃に「かけ流し」と「絵本の暗唱」と「お楽しみ」で「無意識」で英語を習得してきた娘達は、英語の勉強は一切しなくても、洋画やドラマ、洋書を自分で楽しむだけで、英語の成績はいつもトップクラスです。

 

 

大人(中学生から)の英語は「自我」で勉強して身につけていくしかありませんが、子供の英語は「自我」ではなく「無意識」で身につけさせてあげましょう。

そのためには、読みに関してもアウトプットに目を向けず、絵本の暗唱も「させるもの」ではなく「音と文字のインプット」だと思って続ければ、親子ともに負担が少なく、いつの間にか英語が身についていきます。

 


「おうち英語で子供をバイリンガルに育てたいけど、一人でできるかどうか不安」というお母さん(お父さん)のために「おうち英語の会」をやっています。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

 


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