オンラインコミュニティ「おうち英語の会」のご紹介

英語上達のためのシャドーイングのやり方

バイリンさるのサラミ
中井コーチ、リスニングの上達にシャドーイングが良いと聞いたのですが…?

今日は、「おうち英語の会のちえみ」ではなく「英語コーチの中井」が、大人の学習者のために、英語のリスニング力を鍛えるための効果的なシャドーイングのやり方を伝授いたします。

シャドーイングと一口に言っても、なかなか奥が深いのですが、そのエッセンスだけでもお伝えできれば、と思います。

 

英語を聞いて理解するには?

おうち英語で、無意識で勝手に英語を習得してしまう子供と違い、大人になってから英語を学び始めたら、自分の自我で勉強していくしかありません。

しかし、無意識で自然に習得しても、自我で頑張って勉強しても、目指すところは同じで、英語が聞き取れるようになるために必要なことは、次の3つです。

1. 英語の音が聞き取れる(音の習得)
 → 学習法【発音、ディクテーション、リピーティング、シャドーイング】

2. 聞き取れた音の意味が分かる(語彙と文法)
 → 学習法【単語、文法、精読】

3. 音と意味の処理が自動化できている (映像化)
 → 学習法【シャドーイング、リスニング】

このように、「1. 音の習得」 には、発音、ディクテーション、そして(音の)シャドーイングなどが必要で、「2. 意味が分かる」ようになるには、単語を覚え、文法を学び、英文読解の学習まで必要です。

ちなみにおうち英語では、1.が「かけ流し」、2.と3.が「意味づけ」と「語彙を増やす」に当たり、これをやっていけば、3.まで子供は無意識で勝手に習得してくれます(詳しくは → おうち英語の進め方

しかし、もう成長してしまった大人の場合は、これを自我で勉強していくしかなく、音や意味のために独立して勉強した「発音」「ディクテーション」「音のシャドーイング」「単語」「文法」などを、最終的に「意味のシャドーイング」で、「3. 自動化(映像化)」にまでつなげていきます。

学習の目的ややり方を理解せず、「シャドーイングが良い」と聞いたからと言って、漫然とシャドーイングを繰り返すだけでは、まったく無意味ではありませんが、あまり効率は良くありません。

バイリンさるのサラミ
「シャドーイング」と一口に言っても、実は奥が深いんです 

ですので、段階を踏んで、一つずつしっかり意識して攻略していくのが、遠回りに見えても、結局は効率的です。

シャドーイングで「最大限効果を上げる」ために、まずは、その準備段階の学習から見ていきましょう。

 

1. 音の習得:英語の音が聞き取れるようになるための学習法

発音

大人が外国語の音を習得するのに一番良いのは「発音」です。
自分で発音できるようになってしまえば、自分の中に「英語の音」があるので、聞き取れるようになります。(詳しくは →大人のインプットはまず発音から

発音学習は、指導者についてやるのが一番ですが、書籍やアプリ、また今は YouTube に良い解説動画もありますので、そういうものを使って独学で身につけることも可能です。

 

ディクテーション(英文を聞き取り、文字に起こす)

本文を何度か聞いた後、最初から少しずつ音声を止めて、聞こえた英文を書き取っていきます。

必ずスクリプトのある英文を用意して、正しく書き取れたかどうか確認しましょう。

難しい場合は、一度スクリプトで内容を確認してから行っても結構ですし、最初のうちは、一語一語止めながら書き取ってもOKです。

だんだん慣れてきたら、スクリプトや日本語訳、解説を見る前にディクテーションをやるようにし、止める間隔も少しずつ長くしていくと、音の習得だけでなく、語彙や文法の習得にも効果があり、より一層、力がつきます。

 

リピーティング(聞いた英文を繰り返す)

英文を1文ずつ聞き、(テキストはなるべく見ないで)聞こえた通りに繰り返します。

この時に大事なことは、文字に引きずられず、とにかく音を真似することでで、「Check it out!」 を「チェックイットアウト」ではなく、思いっきり「チェキラッ」と発音する感じで、その「チェキ」の「ェ」も「ラッ」の「ァッ」も、とにかく英語っぽい音で、お手本のスピーカーになりきって、そっくりに発音してください。

 

オーバーラッピング(テキストを見ながら、お手本の音声と一緒に読む)

これは、上級者は省略しても結構ですが、いきなり全文通してのシャドーイングが難しい人は、まずはオーバーラッピングからやると良いです。

テキストを見ながら、音声を途中で止めないで、本文を最初から最後まで、音声に合わせて読みます。(途中、うまく言えない所があれば、そこだけ部分練習します)

 

音のシャドーイング(テキストを見ないで、聞こえた音を影のようについて声に出す

ここまでやって初めて「シャドーイング」です。

シャドーイングとは、英文を見ないで、聞こえてきた英語を聞き取れたそばから、その通りに自分でも声に出していくことで、お手本に影のようにぴったりついていくことから「シャドーイング」と呼ばれています。

この段階のシャドーイングでは、まだ意味を考えず、音を真似することに集中します。

ついていけない箇所があれば、スクリプトを何度も音読したり、リピートに戻ってその箇所だけ部分練習し、スムーズについていけるようになるまで繰り返しましょう。

 

2. 単語と文法:聞き取れた英語の意味が分かるための学習法

単語(語彙の増強)

知らない単語の意味は分かりません。地道にボキャビルしましょう。

 

文法(英語の構文を体得する)

学校英語をやっても英語が話せるようにならないせいか、意外と軽視されているのが「文法」の学習ですが、英語というのは日本語と違い「形」がしっかりしている言語ですので、文法をやると、英文の構造がとてもクリアに見えるようになり、意味が取れるようになります。

文法をやり直した方が良いかどうかの目安は「長い文章でも、主語と動詞が見抜ける(5文型がだいたい見抜ける)」かどうかですが、自信がない方は、「高校の英文法が1冊でしっかり分かる本」などで、一度きちんとおさらいしておきましょう。

 

また、このレベルは不要だけど、中級者でじっくり細部まで攻略したいという方には、「一億人の英文法」や

オールイングリッシュですが「English Grammar in Use(Intermediate)

などが、実践的でオススメです。

 

こうした学習で「音の習得」と「単語と文法」を伸ばした後(または同時並行的に)いよいよ最終的な「音と意味の処理の自動化(映像化)」につなげていくのが「意味のシャドーイング」です。

 


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