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「かけ流し」した素材は「意味づけ」を
少し前の記事(→「子供をバイリンガルにするには」「かけ流しの素材」)で、幼児や赤ちゃんには「かけ流し」をすると、嫌でも子供は英語を習得する、と書きました。
かけ流しだけでも、子供の脳には英語回路ができるので、子供は「潜在的バイリンガル」に育ちます。
ですから、たとえ普段、英語をペラペラしゃべることがなくても、大きくなって英語を勉強し始めたら、何となく英語が得意になって、リスニングで苦労したり、試験でちんぷんかんぷんということはなくなります。
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けれど、まったくの「かけ流しオンリー」で「音だけ」の英語環境でしたら、「潜在的バイリンガル」のままで、英語をしゃべり出すこともなかなかないかもしれませんし、大きくなってくるにつれて、英語が分かってるんだか分かってないんだか、こちらも不安になってしまうかもしれません。
ですから、せっかく「かけ流し」をするなら、「意味づけ」までやってあげると、もっとクリアに英語が分かり、自分でもしゃべれるようになっていきます。
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「意味づけ」とは何か? どうやってやるのか?
「赤ちゃんはどうやって言葉を覚えるか?」にも書きましたが、人間の赤ちゃんは、環境に存在するあらゆる音をまず脳にため込みます。
そして、ためこんだ音を、周りの情報(映像だったり、出来事だったり、お母さんの表情だったり)と結びつけて、「この音は言語として意味のある音」「この音は言語ではない音」という分類を自然に行います。
母国語(日本語)の場合、日本語の音は、常に何かの情報と一緒に流れてくる訳ですが、英語のかけ流しはまず「音だけ」が脳に届いていますので、その音を整理するための情報(イメージ)が必要になってきます。
その情報(イメージ)を与えるのが「意味づけ」です。
その「意味づけ」の具体的なやり方ですが、何も難しいことはなく、かけ流した英語の素材を、ビデオや絵本などで音と一緒に子供に見せるだけです。
そうすることで、今まで脳にためこまれていた「聞いたことはあって言語(英語)として認識しているけど意味は分からない単語」が、まるでクリック1つで並べ替えられるように整理されていきます。
ですから、映像や絵本を何度も無理矢理見せる必要はなく、音をしっかり聞かせた(脳に届けた)後に、2~3回も見せればよく、最低1回でも見せられれば十分です。(もちろん何度も見たがるお子さんには、繰り返し見せても構いません)
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「意味づけ」は「意味」を理解させるのではなく、「内容」をつかませる
この意味づけですが、「意味づけ」と言っても、言葉や場面の「意味」を一つ一つはっきりと理解する(させる)必要はありません。
何となく「これはお母さんと公園に行ってジャングルジムで遊ぶお話」「これはミッキーが仲間とピクニックをするお話」「これは幼稚園で母の日の絵を描いたお話」という程度に理解すれば十分です。
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子供は、日本語だって、いちいち言葉の意味を確認しながら覚える訳ではありません。
大人が話していたり、テレビから流れてくる、最初は意味の分からない音をため込み、その時々の情報(イメージ)で意味づけを行って、自然に日本語を覚えていきます。
英語も同じように、音をかけ流し、脳にためこませ、時々それを整理する情報(イメージ)を与えてあげれば、日本語と同じように自然に習得していくのです。
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かけ流しと意味づけが3年できれば、英語を口にする素地はできる
かけ流しを3年続け、意味づけが適宜できていれば、ある日突然英語をしゃべり出すお子さんも出てくるでしょう。
もしかけ流しを3年やっているうちに年齢が少し高くなってしまったら、お子さんが自然に英語をしゃべるということはないかもしれませんが、きっかけを与えると英語を口にする素地はできています。
ですから、小さいお子さんのいるお母さん(お父さん)は、まずは3年、かけ流しと意味づけを頑張っていただきたいと思います。
「おうち英語で子供をバイリンガルに育てたいけど、一人でできるかどうか不安」というお母さん(お父さん)のために「おうち英語の会」をやっています。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。