アンケートなどでいただいたご質問やお悩みに、(例によって私の独断と偏見で)お答えしていく「お悩み相談シリーズ」
今回(↓)は、上のお子さんが小4で英検2級という、おうち英語のベテランママさんからのご質問です。
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「Yさん」からのご質問
ワークブックをさせたことないが、やらせた方がいいのか? また、過去にワークブックを購入したことあるが、答えが載っていなかった。ネイティブが使用する小学生向けで、お勧めのワークブックがあれば教えてください。
Yさん、アンケートにご協力いただき、ありがとうございました!
今回は、「ワークはやらせた方がいいのか?」とご質問ですが、私の考えでは、かけ流しと洋書読書で英検2級までいったお子さんには、特に必要ないと思います。
ただ、おうち英語では「書く」ことがなかなかできないので、英語力を引き上げるということではなく、「書く」取り組みをやらせたい場合には、ワークの助けを借りるといいかもしれません。
その理由については、最後に述べますが、我が家でも、ネイティブ向けのワークを(たくさんではないものの)使ってきたので、まずは、参考として、我が家で使ったものをご紹介します。
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まず単語系(Vocabulary)のワークですが、私のオススメは、なんといっても
のシリーズです。カラフルで楽しいので、子供の食いつきが良く、ボリュームがあるので、しばらく持ちますし、終わったあとは、親子ともにかなりの達成感があります。
ただ、高学年向けのものは、子供によっては難しくて最後まで辿り着けず、今度は逆に挫折感が残るかもしれないので、もう少し薄いものの方がいいかもしれません。
また、単語のワークに関しての注意点ですが、中学校以降の「単語の暗記」のように、ワークで単語を増やすことは、子供には無理ですし、期待しない方がいいです。
ワークで期待できるのは、今まで絵本や動画などで見たり聞いたりして「何となく」知ってる単語の意味を、ワークでの読み書きを通して、しっかりとした自分の「語彙」として定着させる効果です。
我が家も、帰国時小4だった次女に、
このワークの4年生~6年生までの分をやらせましたが、読書で「見たことある」、あるいは、どこかで「聞いたことあって音は知ってるけど、文字として見るのは初めて」という単語については、ワークが定着に役立ちましたが、その時点で見たことも聞いたこともない単語は、ワークをやったからと言って覚えられるものではありませんでした。ですから、語彙の増強も、基本はかけ流しや絵本の読み聞かせ、動画の視聴などによる「インプット」が中心で、最後の「仕上げ」としてワークを使う、という風に考えておくのが良いと思います。
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次に、読解(Reading Comprehension)のワークですが、これは、英語で考える練習になるので、できるお宅では取り入れてもいいと思います。
我が家で使ったのは
のシリーズです。こういうワークは、アメリカの小学校でも教材として使われています。
余談になりますが、アメリカに住んでいた時は、私もボランティアとして、こうしたワークのコピー取りによく出かけました。
うちの子供達が通った小学校は、公立にしては恵まれた学校のようでしたが、それでも決して予算が潤沢というわけではなく、いつも教室の入り口のドアに、文房具の寄付を募る「Classroom Wish List」が貼ってあったり、教材も、保護者ボランティアが市販のワークをコピーして作ったりしていました。
話を戻すと、この読解のワーク、次女は帰国後に私がやらせていたのですが、やがて反抗期に入り、私の手には負えなくなったので、Skype のオンラインレッスンの先生(フィリピン人講師)にお願いしました。
こうした読解のワークをやると、将来の英検など英語の試験にも役立つので、できるお宅では取り入れるとよいと思います。
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次女の Skype レッスンでは、サイエンスのワークも使っています。
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一方、長女は、帰国した時、アメリカの7年生を終えていましたので、帰国後、こちらの読解のワークを使ってもらいました。
(現在は、英語ニュースを題材にレッスンしてもらっています)
こういう風に、オンラインの英会話レッスンなどで、先生に何をやってもらったらいいのか分からない、という時にも、ワークは役に立ちます。
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他にも、我が家が使ったワークをご紹介しておきます。
このシリーズは、長女が小学校に上がってからアメリカに行くまで使っていました。と言っても、このブログを書くにあたり、Amazon の購入履歴を見返してみて初めて「ああ、こんなのやってたな」と思い出したぐらいで、内容はよく覚えていません。すみません。
でも、1から始めて5ぐらいまで進んだ記憶があるので(表紙に見覚えがあった)、多分、気に入っていたというか、やりやすかったのだと思います。
また、ちょっと変化球ですが、こんなのも持ってました。
接頭語や接尾語、語源などの学習をするワークですが、使う前にアメリカに行くことになり、結局、現地校の English の授業で習ったので、使いませんでした。◆
それから、気をつけた方がいいのが、算数(Math)のワークで、算数のやり方が日本とは少し違います。
アメリカでは、州によっても算数のやり方が違うらしく、違う州から引っ越してきたお母さんが、学校に「息子の成績が下がったのは、やり方が違うせいだ。今まで住んでた州のやり方で採点し直して欲しい」と抗議しているのを聞いたことがありますが、単元によっては、日本のやり方と大きく違うところがあるので、算数のワークを英語でやらせるのは、あまりオススメしません。
逆に、サイエンスのワークは、読み物としても面白いですし、用語を覚えておくと大きくなってから役に立つことも多いので、やっておくといいかもしれません。
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このように、我が家でもワークをやりましたが、振り返って「ワークは必要だったか?」と聞かれると、「やればやっただけのことはあるが、おうち英語で必須ではない」と思います。
「やればやっただけのこと」とは何か?と言うと、いつもの「自我」と「無意識」の話で言いますと、言語は「無意識」で習得し「自我」で運用しますが、無意識で習得した英語を自我の領域に落とし込むために「読み書き」というのはすごく大きな役割を果たします。
なので、ワークで「書く」作業をすれば、それだけ英語の定着が良くなります。
でも、洋書の読書ができるようになっていたら、それだけでも十分ですので、「書く」ことは、今すぐでなくても、中学(もしくは小学校高学年)以降、英語の授業でやっても十分間に合います。
もちろん、余裕がある小学校のうちにやっておければ、中学以降の英語はラクになるでしょうが、最終的に「使える英語」をマスターするためには、急いでやる必要もないです。
急いで(子供が小さいうちに)やっておいた方がいいのは、「音からの英語回路の構築」で、余裕があれば「英語の本を読めるようにしておくこと」、そしてさらに余裕があれば、ワークなどで「書くこと」もやっておけばいい、ぐらいに考えるといいでしょう。
また、必ずしもネイティブ向けのワークでなくても、ESL(外国語として英語を学ぶ人向け)のワークでも良いと思います。
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最近は、ネイティブ向けのワークでも、ネットで探せる無料の物が自由に手に入る時代になりましたね。
ネットで入手できるものは、「English worksheet」や「reading comprehension worksheet」などと入れて検索すると沢山出てきます。
「ESL」(English as Second Language:第二言語としての英語)と入れれば、外国人が英語を学ぶ時に使えるワークを探すこともできます。
算数だったら「math」、理科だったら「science」を入れて、さらに学年を「Grade 5」などと指定して検索することもできます。
画像を見て探すこともできるので、自分で探してみたい方は、探してみられるといいと思います。
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以上、あまり網羅的な情報ではありませんが、少しでも参考になりましたら幸いです。
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