以前ちょっと「お悩み相談コーナー」をやっていたことがあるのですが、なんとなく中断してそれっきりになっていました。
久しぶりに読者の方からご質問をいただいたので、今日はこちらにお答えしたいと思います。
(念のために申し添えますと、私は児童英語の研究者ではありませんので、回答はあくまで私の「個人的な意見」です。ご了承ください)
今回のご質問はこちら(↓)
Contents
英語の動画を見ている時に、英語と日本語を混ぜても問題ない?
英語で語りかけは不要と
英語の動画が流れてる時は英語で話したかけた方がよいかなと思っ
英語の歌を一緒に歌う、動画のフレーズを言うだけでよろしいでし
また、「It’s a bird!! あ飛んでいったね!」等 英語のワンフレーズの後にすぐ日本語で話しても問題ないでしょう
年齢別:日本語と英語を混ぜても良いの?
この質問は「おうち英語の会」の座談会や勉強会でもよく出るのですが、ご家庭に合った詳しいお答えは、お子さんの年齢や英語歴(あとはママの英語力)をお聞きしないと確実なことは言えません。
例えば、我が家では今、私も娘達もその時の気分で、英語と日本語をごちゃまぜで話しています。
ですが、これは、子供達ももう大きく、日本語も英語もある程度固まっている(そして、私も少し英語ができる)から今はそうしている、ということで、幼い頃は、私から話しかける時は日本語、たまに英語で話す時は英語のみ、という風にしていました。(英語のみなんて大変なので、ほとんど日本語でしたが)
我が家の語りかけについては、こちらにまとめていますので、良かったら参考にしてください。
・語りかけとアウトプット、我が家のおうち英語から
でも、それではお答えにならないので、一般的な(親は英語より日本語の方が得意な)家庭を想定して、(子供の英語の習得度は考えず)年齢別に「私だったら」ということを書いてみたいと思います。
乳児期(0〜2歳ぐらいまで)
私自身は、子供が英語のビデオを見ている時は、貴重な「家事タイム」だったので、一緒に見てあげるなんてことは、ほとんどありませんでした(笑)
また、英語のビデオ(の音声)自体が英語のインプットになっているところに、わざわざ日本語をはさんで混乱させたくないので、一人で(私は話しかけずに)見せていた記憶があります。
でも、ママがお子さんと一緒に見ていたら、2人で黙って見ているのも変ですよね。
そんな時は、やっぱり英語か日本語のどちらかに統一した方が良いと思います。
日本語のまだ固まっていない乳幼児に、母親が日本語と英語を混ぜながら話すのは、私だったらやめておきます。
英語で話しかけるなら、その時は自分で言えることだけを英語で言っておけば良くて、ビデオを見終わった後、日本語で「鳥さんが飛んで行ったねー」などと会話すれば良いと思います。
英語のビデオについて日本語で話しかけるのは不自然な気がするかもしれませんが、母親が普段の生活で日本語をしゃべっているなら、日本語で話すのは、子供にとっても別に普通のことです。
例えば、(国際結婚などの)両親の母語が違う家庭では、今でも基本的に「一人一言語」という考え方がありますので、そういう家庭では、たとえ両親は英語で話していて、テレビから英語の音が流れても、日本人の親は子供には日本語を話します。
(余談ですが、仮に父親が英語、母親が日本語で、アメリカで「英語と日本語のバイリンガルに育てたい!」と思って子育てしていたら、ひとたび母親が子供と英語で会話してしまうと、子供の日本語教育は一気に崩壊の危機を迎えます)
話をおうち英語に戻すと、うちの娘が赤ちゃんだった頃、当時の英語育児は、まだ自分の子供で実験しているようなところがありましたので、私は基本的にリスクを避けたくて、「一人一言語」を徹底した方が良いのではないかと思い「私は日本語で話しかけよう」と心がけていました。
ただ、最近は(次女の経験からも)そこまで厳密ではなくても良いのかも?と思っていますが、それでも、子供が幼いうちは、わざわざ親の方から日本語と英語をちゃんぽんにして子供の脳を混乱させることもないかな、と思います。
このぐらいの年齢の時は、ビデオを見ている時(または英語遊びの時間)に、英語で話しかけたければ英語だけ、めんどくさければ日本語だけ、にしておいた方が良いのではないでしょうか?
幼児期(3歳〜小学校入学前)
幼児期も基本は乳児期と同じですが、親からの働きかけを自由にコントロールできる乳児期と違い、子供の自我が出てくると、それに合わせてあげる必要があります。
子供が英語で話しかけてきたら、相手ができれば英語でも良いと思いますし、できなければ日本語で良いと思います。
また、自我がでてきた子供が「ママ、英語やめて」などと言い出すこともあります。
そんな時は、英語の語りかけはやめて、日本語だけにした方が絶対に良いです。
これについては「英語の語りかけ、続けるべき?それともやめた方が?」という記事で触れましたが、子供に英語を身につけさせるのに、親の語りかけは、やってもやらなくても、長い目で見ると大した違いはありません。(むしろ、親が語りかけを頑張りすぎて、発音が悪くなってしまう子供もいます)
子供の自我の反発に合うと、ママの語りかけのメリットよりも、自我に抵抗されるデメリットの方が大きくなります。
自我が出てくるこの時期は、子供の様子を見て、子供の好みを優先してあげましょう。
小学校に入ったら
小学校と言っても幅がありますが、小学校に入る頃には日本語もかなりできあがっていますので、そんなに厳密に考えずとも、親が少しぐらい英語を混ぜても大丈夫です。(ただ、子供から「英語やめて」と言われたら、やめておきましょう)
日本語を伸ばしておかないと、ゆくゆくは英語力も頭打ち
小学校入学以降は、英語で話しかけることよりも、日本語でいろんなことをきちんと説明してあげることが大事だと思います。
おうち英語で「第二の母国語」として英語を身につけても、日本で普通に育てば、英語は所詮「第二言語」で、「母語(第一言語)」は日本語です。
第二言語(英語)が母語(日本語)を追い抜くことはなく、逆に、母語の能力が高ければ、第二言語の能力も母語の能力に比例して高めることができます。
(参考:おうち英語にやり過ぎは禁物!英語を伸ばすには日本語を大事に)
お母さん自身が日本語より英語の方が堪能でない限り、基本は日本語でしっかりと会話して、日本語の言語能力を伸ばしてあげるのが、後々英語力の伸びにもつながります。
親の語りかけで得られるメリットは「子供のアウトプットが出やすい」ということだけで、それ自体はあまり英語の習得と関係ありません。
「親の語りかけは害の方が大きい」という意見もありますが、私は、アウトプットが出ることで「親のテンションが上がる」ので「親がおうち英語を続けるモチベーションになる」のは、語りかけの一つの大きなメリットだと思っています。
ですが、英語と日本語のバランスは、年齢や子供の様子も踏まえて、上手に語りかけを取り入れていただきたいな、と思います。
「おうち英語で子供をバイリンガルに育てたいけど、一人でできるかどうか不安」というお母さん(お父さん)のために「おうち英語の会」をやっています。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。