クラブハウスでも「おうち英語の会」のSlackでも、よく出る話題が
「どうしたらアウトプットを引き出せますか?」
「英会話レッスンとか外国人のお友達とかを作った方が良いですか?」
というものなのですが、日本でおうち英語していたら、アウトプットを親の望むように引き出すのは難しいと思います。
アウトプットが順調な子もいると思いますが、それは「親のやり方が良いから」ではなく、単にその子の個性です。
私がそう思うのは、うちの次女の経験からなので、今日は(珍しく)次女のことを書いてみたいと思います。
同じようなことを、以前も書いていますので、良かったらこちらもお読みください。
(→ 語りかけとアウトプット、我が家のおうち英語から)
うちは長女の妊娠中からおうち英語をしていたので、当然、次女もお腹の中にいる時からおうち英語されていたことになります。
下の子あるあるで、上の子にばかり目が行って、下の子がどうしてたか、あまり覚えてないのですが、うちは長女がおしゃべりだったせいもあり、次女はそもそも日本語でもあまり言葉が出るタイプではなく、英語のアウトプットもほとんどなかった記憶があります。
長女の時は、アウトプットが見たくて、インターナショナルスクールのサマースクールに入れてみたりしたことがありますが(詳細は → コチラ)、次女の時には、英語のアウトプットを気にする余裕も私にはありませんでした。
そうこうしているうちに、次女が6歳(小学校入学直後)の時にアメリカに3年行くことになりました。
6月末に渡米して、8月末から現地の小学校に通ったのですが、日本にいた時は英語を話したりすることもなかったのに、それまでおうち英語されていたこともあり、次女はあっと言う間に日本語より英語の方が強くなりました。
うちは、日本語補習校に通わせていなかったので、日本語の勉強は家で見ていました。
ちょうど、日本でおうち英語するように、アメリカで「おうち日本語」していた感じです。
DVDは英語の物を見ていましたが、テレビは日本語でしか見せませんでした。
(子供たちが日本語のテレビを一番見ていたのは、アメリカ時代です。笑)
朝ごはんの時には、日本語の幼児向けCD(七田のPOPキッズ)をかけ流していましたし、読み聞かせも日本語の本でしたし、夕食後には「Family Reading Time」という「家族全員で日本語の本を読む時間」も取っていました。
都市部に旅行に行くと、必ず Book Off に立ち寄って、日本語の子供向けの本を買い込んでいましたし、夫の職場に日本からの出張者が来られる時には、日本語の本を持ってきてもらったりもしました。
そして、家族で家の中では日本語で会話していたのですが、それでも次女は、だんだん英語が多くなり、気づいたら家の中でも英語しか話さなくなっていきました。
そして、日本から取り寄せていた「チャレンジ」の勉強や漢字の練習を「なんでこんな訳の分からない文字を覚えなきゃいけないの!」と、嫌がるようになりました。
一方、英語の方は、初年度こそESL(英語が母国語でない子のクラス)でしたが、すぐにネイティブの子供と見分けがつかなくなり、3年生からはGT(Gifted & Talented)のクラスに入って、3年生が終わって帰国する時には、English, Math, Science 全ての教科で「最優秀」の成績を総なめにするぐらい、堪能になりました。
その頃には、いくら「家では英語禁止」にしても、もう英語ばかり話す次女に、帰国してからの日本語を本当に心配したものでした。
(当時の二人 ↓)
そんな状態で3年間が過ぎ、次女が4年生の夏、帰国してまた日本の小学校に入りました。
(アメリカに行く前とは違う小学校に「転校」しました)
担任の先生には、「日本語がうまくしゃべれないかもしれません」とお伝えしてあったのですが、先生からは「特に問題はありません」と言われました。
ですが、確かに授業を受ける分には支障がなかったのですが、友達との会話での日本語の細かいニュアンスを汲み取るのが次女に難しかったようで、小4〜6と思春期の難しい時期だったこともあり、帰国後数年は、友達関係で苦労していました。
そして英語の方は、帰国してしばらくは家の中では英語を話すことも多かったのですが、帰国後の英語保持の取り組みも特にしなかったので、だんだん日本語しか話さなくなり、今では英語をしゃべろうと思っても、咄嗟には出てこないそうです。
それでも、こちらの記事にも書いたように、いざとなれば、またすぐに英語はしゃべれると思っているようです。(→ 今アメリカに引っ越してもやっていける?)
そんな次女の様子を見てきたので、アウトプットというのは、子供自身にもコントロールが難しく、英語が強い環境ではいくら「英語禁止」にしても日本語でアウトプットさせるのは難しいし、逆に、日本語が強い環境では英語でアウトプットさせるのは難しいと思います。
長女にしても、アメリカ時代は、家の中で親が「英語禁止」と言えば、頑張って日本語を話すものの、姉妹の会話は、最後は英語ばかりでした。
アウトプットには「自我」が大きく関わるので、自我が成長してくると、だんだん「頑張って話す」など、本人もコントロールできるようにはなっていきますが、それでも、頑張らなくて良い場面では楽な方で話してしまうのです。
ところで、いくらアメリカに行っても、日本語しかできない子なら、いきなり「英語だけ」にはなりません。
子供は言葉を覚えるのが早いとは言っても、それまで全然英語をやってこなかった小学生が、2〜3年の駐在では、家の中では最後まで「ほとんど日本語」で、学校ではどうしても必要な英語を「頑張って」話して帰国するケースも多いです。
次女のように、日本にいた時には全然(英語の)アウトプットがなかったのに、アメリカに行ったらいきなり英語ばかりになって日本語のアウトプットが出なくなったのは、両方の言語を身につけていたからだと思います。
次女は、長女の「おまけ」で淡々とインプットされるだけのおうち英語で、小さい頃はアウトプットはありませんでしたが、英語の環境に放り込まれたら、日本語がなくても英語だけで生きていけるぐらい英語を身につけていました。
アウトプットがない中インプットを続けていくのは、なかなかつらいものだというのは、私も長女の時の経験から分かります。
長女の時は、私もアウトプットが見たくていろいろ試行錯誤し、最後は自分が自分の仕事で忙しくなったので力尽きて「淡々とインプット」に落ち着きました。
でも、アウトプットがなくても、インプットを続けていれば、必要になればあっという間にしゃべれるようになるというのも、娘達の経験から実感しています。
そして、アウトプットを親の望むように引き出すのは難しい、というのを、次女の経験から痛感しています。
いろいろ工夫して上手くいくのは嬉しいし、それが育児の醍醐味の一つかもしれませんが、もし、何をどんなに工夫しておアウトプットが出なかったら、それはその子の「個性」です。
それよりも、インプットさえしておけば、子供は必ず英語を身につけていますので、「子供にいかにアウトプットさせるか?」ではなく「親が何をインプットするか?」にフォーカスして、おうち英語を続けてくださいね。
「おうち英語で子供をバイリンガルに育てたいけど、一人でできるかどうか不安」というお母さん(お父さん)のために「おうち英語の会」をやっています。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。