オンラインコミュニティ「おうち英語の会」のご紹介

英語は読めるのに自分からは読まない(読解力をつけるには・その3)

おうち英語で子供が英語の本を一人で読めるようになるやり方を紹介しています。
今回は第3回目です(第1回目は、コチラ

英語の本を自分から進んで読む子は少ない

おうち英語のゴールの一つは「英語の本を一人で読めるようになる」ということですが、全てのお子さんが「英語の本を自分から進んで次々読む」ようになる、と思うのは(そうなってくれれば理想ですが)現実的ではありません。

うちの娘達も、読みたいと思ったら、(年齢相応の)分厚い洋書も一人で読みますが、普段読んでいる本は、ほとんど日本語の本です。

それでも我が家の場合は、アメリカにいる頃に英語の本ばかり読んでいた時代があるので、まだ心の平静を保っていられるのですが(笑)、ずーっと日本でおうち英語をしていて、日本語の本ばかりどんどん読むようになり、英語の本を全然読まかったら、「何とかしたい」と思ったでしょう。

頭の中に英語の文章を流す

読もうと思えば一人で読めるのに、なかなか英語の本を読んでくれない場合、どうしたらいいのでしょうか?

もう一人で読めるようになっている、ということは、英語回路もでき、英語の読み方も習得している訳ですから、「本読み」の第一段階はクリアしています。

今後は、最低限の取り組みとしては、かけ流しを続けて、語彙を自然に増やしていけばいいのですが、それよりもっと積極的に読みの体力をつけるには、「頭の中に(英語の)文章を流す」ことが有効だと思います。

読むためには頭の中で英語の音が流れている

「頭の中に(英語の)文章を流す」というのはどういうことか、ちょっと日本語で考えてみたいのですが、今、この文章を読んでいる時、頭の中で自分がこの文章を読んでいる声(音)が流れていないでしょうか。

言語は「音」ですから、書かれた文字を読んでいても、その文章の「音」が頭の中には流れているはずです。

つまり、英語の本を読む、ということは、英語の文章(の音)が頭の中に流れる、ということです。

また、文章(書き言葉)は、話し言葉とは違いますから、本が読めるようになるには、書き言葉としての文章に慣れる必要があります。

ですから、読書で「頭の中に文章を流す」ための下準備として、実際にその文章の音を聞くことで、頭の中にその文章の音を流しておくのです。

そのためにオススメなのは、「オーディオブックで本を聴く」ことと「音読」です。

オーディオブックで本を聴くというのは、大人が英語を勉強する場合だと、英語を聞くだけで理解したりレベルを上げていくのは、初級者のうちは難しいです。

その理由は、英語の音をマスターしていなかったり、読み上げのスピードに脳の処理が追い付かなかったりするからなのですが、その点、読書なら、自分の脳の処理スピードに合わせて読むことで、それがたとえ黙読でも、頭の中に英文を流す(響かせる)ことができます。

ですから、子供の「かけ流し」の代わりに大人は「多読」をやると、英語の音(黙読で頭の中に流れる声)を脳に届け、英語回路を作る手助けになるのです。

子供の頭の中に英語の文章を流す:オーディオブック または 音読

一方、すでに英語回路ができていて、耳から直接理解できる子供だったら、頭の中に文章を流すのは読書でなくてもよくて、オーディオブックでもいいのです。(というか、むしろそれが「言語本来の姿」です)

そして、オーディオブックなら、自分では読めない単語も読み手が読んでくれますから、読めない単語につまづいて読書の流れが阻害されることがないので、一人で読むには少し難しい本でも、どんどんレベルを上げて聴けるようになります。

英文の朗読を聞いて理解できるということは、書き言葉としての文章にも慣れ、内容も理解できているということですから、単語レベルでの文字読みを習得している子なら、その気になればその本は読めます。

こうやって、その気になれば読める本のレベルを自然に上げていくことができるので、「読んでほしいな」と思う本は、このように「聴かせる」ことで一人読みにつなげることができます。

もう一つのやり方「音読」の方は、音読するには当然文字を目にしますので、文字を見ながら読む(=英文を頭の中に流す)ことで、やがて自然に黙読に導くわけです。

この場合、やり方としては、ストレスなく進められるように、いきなり初見の文章を読ませるのではなく、音源を聞き込んで(年齢が低ければかけ流しでOK)、ある程度文章を頭の中に流したものを音読するようにすると、思ったよりスムーズに読めるので、子供も「読める」という気になって取り組みがスムーズに進みやすいです。

また、「声に出す」というのは能動的な作業で、それ自体に負荷がかかりますので、オーディオブックよりは短いものを読むようにした方がよいでしょう。
(我が家では、教材を使いました)

上に挙げた二つは、どちらも英語の朗読を聞くのですが、「オーディオブックを聴く」時には、楽しみながら聴く(何度も聴かなくてもよい)、そして「音読」の方は、は音源(朗読)を何度も聞き込んだ(と言っても、小学生ならかけ流しで十分です)後に、自分で本を見ながら声に出して読む、ということです。

こういったことをやっていけば、子供も英語の本を読むのがぐっとラクになるので、英語の本も読むようになるかもしれません。

でも、繰り返しますが、一人で読めるようになっている場合、もうそんなに焦ったり、無理をすることはありません。

中学、高校と進めば、英語が読めるといろんな意味で得をすることは、本人が一番よく分かるようになりますので、そこは思春期の「自我」を上手に使って、そこから英語の読書をがんばり始めても、決して遅くはないのです。

親が英語の読書に力を入れ過ぎて本が嫌いになってしまったりしては本末転倒ですし、取り組みのヒントはご紹介しましたが、おうち英語にスパルタは不要でもありますので、「与えすぎ」と「無理強い」にはくれぐれも気をつけて、のんびり楽しくやれる方法をお子さんと一緒に探してみてください。

「読解力をつけるには」のシリーズ、次回は、幼児~小学校低学年時代に、そもそも読み始めまでどのように導いたらよいのかを考えます。



「おうち英語で子供をバイリンガルに育てたいけど、一人でできるかどうか不安」というお母さん(お父さん)のために「おうち英語の会」をやっています。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。


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