このブログで時々「暗唱」をオススメしていますが、「おうち英語の会」の会員さんからご質問をいただいたので、今日はこの「暗唱」についてご説明します。
例えばこの記事(「幼児~小学校低学年をまず読めるようにする(読解力をつけるには・その4)」)では、「暗唱」から読みに導くのをオススメしています。
「暗唱」と言うと、普通は、何も見ないでスラスラと空で言うことを指すのですが、おうち英語で子供にやらせる、読みにつなげるための「暗唱」は、ちょっと違った種類の「暗唱」です。
大人の場合、「音読」と「暗唱」は明確に分けますが、子供の場合、「音読」と「暗唱(音読)」は同じことで、「本のページをめくりながら読ませる」ということです。
そうすると、文字が読める子は文字を見ながら「音読」するし、まだ読めない子は耳から記憶している内容を「暗唱」します。
この時、音声はかけずに自分だけで読ませます。
なので、音の入力が十分でないと、まだ文字が読めない場合は、何も言葉が出てこないでしょう。
「暗唱」している子は、実際には文字を読んでいないので、間違って読む(言う)かもしれませんが、それは気にしなくて大丈夫です。
言えたところだけで「上手だったねー」とほめてあげましょう。
うちの長女が赤ちゃんだったころに暗唱をしている映像があったので、貼っておきます。
(今は憎まれ口ばかり叩くJKにも、こんな可愛い時がありました)
ご覧いただくと分かりますが、2冊目の本はところどころ間違って読んでいます。
こんなふうに暗唱しているうちに、自然と文字を目で追うようになって、文字を読み始めると、今度はスラスラ読めなくなります。
少し前までスラスラ読んでいた本を、急につっかえつっかえ読むようになって、お母さん(お父さん)が焦ったりしますが、これは自然なことなので、心配いりません。
こうなってくると、自力読みまであと一歩なんですが、そのあと一歩が、子供によっては何年もかかったりします。
「英語をしゃべる子、しゃべらない子」と同じで、個人差が大きいので、ここも忍耐が必要です。
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ちょっと話がそれますが、アウトプットには「自我」が必要で、「自我」には個性がありますから、アウトプットには個人差があるのです。
ですが、かけ流しなどで「無意識で習得」する部分には個人差はありませんので、しっかり英語の音環境が作れて、意味づけができていれば、アウトプットのない子でも、きちんと習得しています(英語回路ができています)ので、焦らないことが大事です。
親が焦ると、逆に子供の「自我」が前面に出てきやすくなりますので、「ムイシキデシュートク、ムイシキデシュートク」とでも唱えて、心を落ち着かせてください(笑)
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話を戻しますと、本のページをめくりながら読ませる「暗唱(音読)」の取り組みをしていると、そのうち文字を読みながら読む「音読」に移り、やがて音読もまどろっこしくなってくると「黙読」に移っていきます。
この過程をたどって読めるようになると、「音」から入っていますので、子供の読書の負荷がぐっと低いです。
逆に、フォニックスや文字を指さすなど、最初から「文字」を意識して読みにつなげると、読むのに負荷が高いと感じるようになるかもしれませんので、英語は読めても「読書を楽しんで自分からどんどん読む」状態につなげにくいかもしれません。(あくまで個人差がありますし、読み聞かせなどの影響もありますので、一概には言えませんが)
しかし、「文字」を意識させないとは言っても、文字を一切見せなければ、やっぱり読めるようにはなりません。
ですので、「音」をたっぷり入力して、その後、その音の文字部分を目に触れさせることで(この時、読ませようとはしなくていい)、自然と読みを習得させていくのが、子供にとっては一番自然にスラスラと読めるようになり、(読みたければ)自分から本を手に取るようになると思います。
英文をスラスラ読めるようになっていると、中学以降、どれだけ得をするか、本人が一番分かるようになりますので、子供にとってストレスのない方法で、そこまで導いてあげられるといいと思います。
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「暗唱」には、ほかに、かけ流しなどで耳から覚えた内容を、何も見ないで(時には、勝手にスラスラ)言う「暗唱」があります。
これが、一般的に言う「暗唱」で、子供はこれが得意で、よくテレビコマーシャルなどを覚えて暗唱したりしますが、おうち英語でも「かけ流し」して繰り返し耳に入っている英語を勝手に暗唱し始める子もいます。
この「暗唱」をやると、子供もそうですが、大人でも、いわゆる「ペラペラ」の会話ができるようになります。
私も、通訳訓練で、日本語から英語に訳すのが苦手だったので、NHKのラジオ講座の会話をずいぶん暗唱しました。
耳からすぐ覚える子供と違って、大人にはとても負荷の高い取り組みですが、英会話学校に通うよりよっぽど効果がありますので、ぺらぺら話せるようになりたいお母さん(お父さん)は、挑戦してみられてはいかがでしょうか?
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ちなみに、我が家が暗唱の取り組みに使ったのは、「パルキッズ」の暗唱用絵本(現在は「I Can Read!」「I Love Reading!」という教材)でした。
「パルキッズ」のシリーズは、このブログを通して購入されると、紹介特典と共に、私が主宰している「おうち英語の会」にも、半年間無料で参加していただき、使いこなすコツなどもお伝えします。(正規購入となりますので、パルキッズ(児童英語研究所)の会員サポートも受けられます)
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