オンラインコミュニティ「おうち英語の会」のご紹介

母国語のように英語を習得するプロセス

前回の記事に、エリカさんよりコメントをいただきました。
(コメントいただくと、とても嬉しいです。ありがとうございました!)

少し長かったので、私の方で要約しますと



長男は1歳頃から、英語の音楽やDVDに触れ、3歳8か月の時にオーストラリアに1か月ホームステイに行った時には何となく英語が分かっている様子でした。
その後、パルキッズのかけ流しを4年やり、かけ流し3年半ぐらいで同じ所に1週間ホームステイに行きましたが、楽しんではいたものの、英語はあまり理解していないようでした。
暗唱の取組も40冊ほどやり、途中から嫌がったのでやめました。英語は嫌いではありませんが、全然理解はしていないようです。今は読めるようになるための取り組みとパルキッズのオンラインレッスンの残りをやっています。
ちなみに次男は0歳からかけ流しを聞いているので、見たがる動画は全て英語ですが、長男が見るのは日本語のものです。同じ3年でも0歳から始めるのと3歳から始めるのでは違うのかな、と思っています。
このままいけば英語の授業で困ることはないだろうとは思っていますが、とても長男の英語が「第二の母国語」になるとは思えません。

とのことでした。

今日は、このコメントにお答えします

もう英語を身につけた「潜在的バイリンガル」

こちらのお子さんは、英語を母国語と同じ状態で習得している、いわば「潜在的バイリンガル」だと思われます。

英語を母国語と同じ状態で習得する時のプロセスは

耳からの一定量の英語に触れることで、全体からぼんやりと英語を理解し、英語回路を育てる
  ↓
一定量のインプットを継続することで、細部の理解が進む
  ↓
アウトプットを通じて、英語が定着し、自我での運用ができるようになる

という感じです。

ただし、ここで「アウトプット」と言っているのは、「自由に英語がしゃべれる」ということではありません。(もちろん、それもアウトプットではあるのですが)

ここでの「アウトプット」とは、単に「声に出す」ことや「書き取りをする」ことを指していて、音読やシャドーイング、書写などの機械的なアウトプットを意味しており、「自由に英語がしゃべれる」というのは、その結果「自我での運用ができる」ということになります。

エリカさんのお子さんの場合、英語回路ができて、ぼんやりとした理解はできているので、これからは細部の理解をしていけば良く、それには、一定量のインプットを継続しながら、アウトプットの取り組みをしていくと、必要な時には運用ができる(しゃべれる)力がつきます。

(これについては、「おうち英語でスピーキングもできるようになる?」という記事でも触れていますので、参考にしてください)

英語をしゃべるには時間が必要な場合もある

しかし、「子供が英語をしゃべらない」にも書いたように、英語をしゃべる(運用)には、どうしても「自我」の意志が必要で、これは、日本でおうち英語をしていると、難しい場合があります。

我が家の子供達も、アメリカに引っ越した時に、英語の苦労はありませんでしたが、渡米して、最初からすぐに英語がぺらぺらしゃべれたわけではありません。

子供達自身も自分が英語を話せるとは思っていなくて、渡米したのが夏休みだったので、学校が始まるまでに少し間があり、それまでは不安のあまり夜中に目を覚まして「英語が分からないから学校でいじめられる」と泣いたこともあります。

いざ学校が始まったら、先生や友達が話している英語は分かるし、教科書の英語も読めるし、授業にもついていけましたが、自分でも英語を話すまでには、しばらく(数か月単位で)かかかりました。

エリカさんのお子さんも、3歳でオーストラリアに行った時には無邪気に英語をしゃべっても、7歳の時には、子供の自我が「自分は英語が分からない」と思っていたかもしれませんし、自我とはできないことをして失敗を恐れるものですから、逆に話さなくなったのかもしれません。

会話には「自我の力」が必要ですから、これはしょうがないことなのですが、ここで気をつけないといけないのは、しゃべらないから英語がもう「できなくなった」わけではなく、むしろ英語力自体は上がっている場合も多いということです。

しゃべるから英語ができる、しゃべらないから英語ができない、と思っていると、あまりしゃべらなくなった時にどうしてよいか分からなくなり、最悪の場合にはおうち英語自体が途切れてしまうことになりますが、そうすると、せっかく習得していた英語までどんどんできなくなってしまいます。

英語をしゃべろうが、しゃべるまいが、英語の習得自体は「無意識」がやることですから、しっかりとしたインプットができている場合、慣れていない英語を1週間の滞在中に話し出さなくても、そんなに心配はいりません。

もう少し長い期間滞在したり、英語しか話さない人と話す必要が出てくるなど、ひとたび自我が「英語を話さねば」と思ったら、しっかりインプットされていた子供は、無意識で習得していた英語を話し出します。

ですから、時折用意した短い機会に子供が「しゃべった、しゃべらなかった」ということにはあまり惑わされず、淡々と「無意識に届ける」つもりでインプットを続けていきましょう。

これからはアウトプットと細部の理解

英語を話すなどの「運用」には、自我の力が必要で、自我は失敗を恐れるものですが、逆に自我が得意だと思えば、進んでやってくれるようにもなります。

ですから、たっぷりとインプットして英語回路ができてきた後は、無意識でぼんやり理解している英語の「細部の理解」を進め、無意識の領域に眠っている英語を自我につなげていくと、成果が目に見えるようになり、親も安心でき、子供も自信がついてきます。

それには、アウトプットで声を出し、読めるようにしていくと良いのです。(パルキッズでしたら、暗唱用絵本やジュニアの取り組みがそれに当たります)

そうすれば、無意識でぼんやり分かる英語が自我で運用できる状態になり、細部の理解にもつながっていきます。

母国語のように英語を習得するプロセス

母国語のように無意識で(自然に)英語を習得させていくと、

第一段階:最初は無意識に(全体からぼんやり)習得する
  ↓
第二段階:その後、細部の理解が深まり、自我に橋渡しして運用できるようになる

という順番をたどります。

コメントいただいたエリカさんのお子さんは、しっかり「第二の母国語」として英語を習得していて、第一段階はクリアされているようですので、今後は、第二段階を意識して、音読やシャドーイングで声に出したり、読み書きの取り組みを進めていかれると良いと思います。

そうすれば、きっと、これまでやってきたインプットが花開くと思います。

どうぞ、子供の能力を信じて、肩の力を抜いて、淡々と、おうち英語を続けてくださいね。

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