ずいぶん間があきましたが、完全に私の独断と偏見による「バイリンガルの育て方」シリーズを再開します。 (前回は、コチラ(その9)/第1回から読みたい方は、コチラ(その1))
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今日は、最近多い「語りかけ」について考えてみますが、私自身は、あまり積極的に語りかけをしてこなかったので、今日書くことは私の経験に基づくものではなく、これまでに調べたことや周りのご家庭を拝見して感じた、あくまで私の「感想」ですので、そのつもりでお読みください。
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前回まで長々と「インプット」のやり方を書いてきましたが、それは「英語回路」を構築するにはインプットが必要だからです。
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最初に書いたように、英語をマスターする(子供をバイリンガルに育てる)には、「英語回路」と「語彙」を身につける必要があります。
「英語回路」がなければ「語彙」がいくらあっても英語は使えないので、これを身につける必要があるのですが、子供は、音から簡単に英語回路を身につけてしまうので、先に「かけ流し」などで英語回路を身につけてあげよう、ということです。
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ところで、最近の英語育児界では「語りかけ」が人気のようで、お母さん(お父さん)の英語による語りかけをされているご家庭も多いようです。
私が英語育児をやっている頃は、この「語りかけ」は「親の発音がうつる」といって、あまり推奨されていなかった気がするのですが、私の経験では、お母さん(お父さん)一人の語りかけ「だけ」がインプット、という極端な(あまり考えづらい)ケースでなければ、そんな心配いらないのかな?と思っています。 (過去記事:「『語りかけ』に行き詰まりを感じたら」)
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語りかけの最大のメリットは、もちろん、お母さんの声は赤ちゃんにとって特別で、強力なインプットができるということですが、それ以外にも、その言葉が使われているシチュエーションごと、まるごとダイレクトに赤ちゃんに伝わる、という点もあります。
赤ちゃんは、お母さんが語りかけてくれた英語は、一番最初に覚えるでしょうし、お母さんとの会話なら、アウトプットも早いだろうと思います。
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この、お母さんの「語りかけ」ですが、では、英語回路を作るためのインプットとして(量として)十分なのか?
私は、赤ちゃんのうちなら、そして「英語回路を作るためだけ」なら、十分だろうと思っています。
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ただ、他にきちんとした英語の音を聞かせずに、語りかけだけしかしていなかったら、どうしても「親の発音がうつる」のや、「間違った英語をインプットしてしまう」のは避けられないかもしれない、と思います。 (過去記事:「親の語りかけで気をつけること」)
そして、語りかけメインだと、ゆくゆく「語彙」が足りなくなるのではないか、という気がします。
また、年齢が少し上がって、日本語が出始めた子どもには、やはり語りかけでは量が足りないのではないかと思います。 (日本語が出始めるということは、日本語の部屋ができ始めているということなので、もう少し英語を増やしてあげないと、英語の部屋が出来にくい)
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なので、そういう場合は、語りかけ中心というよりも、メインのインプットである英語の番組や絵本(あるいは教材)などの比重を増やしていき、おまけとして「ついでに語りかけも英語でしている」ぐらいの方がいいのかな?と思います。
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ここまで、英語回路を身につけさせるためのインプットについて書いてきましたが、いずれにしろ、未就学児に耳から英語回路を身につけさせるのは、そう難しいことではありません。
そして、英語回路だけでは、もちろん「英語をマスター」とは言えませんが、ひとたび「耳からの英語回路」を身につけておくと、その後、英語に触れなくなって英語をすっかり忘れてしまったように思えても、いつか必要になって英語を勉強し始めた時に、英語回路のできていない人とは上達の度合いが全然違います。 (これは、いろんな人の英語を見てきた経験から確信しています)
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ですから、小さいお子さんをお持ちのお母さん(お父さん)は、最初は何でもいいから、とにかく子供が英語を耳にする機会を作っていただきたいと思います。
そして、それ以上の英語をきちんと身につけさせたい、と思ったら、次の「語彙」を考えていく段階に入ります。
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