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青虫が蝶になって飛ぶために必要なこと(バイリンガルの育て方・その11)

完全に私の独断と偏見による「バイリンガルの育て方」シリーズです。
(前回は、コチラ(その10)/第1回から読みたい方は、コチラ(その1)

前回まで、長々とインプットについて書いてきましたが、このインプットの目的は、英語回路、つまり脳の中に「日本語の引き出し」とは別の「英語の引き出し」を作ることです。

生存のために言葉を習得するのは人間の本能ですが、その本能の力でどんな言語でも無意識に習得できる期間は、永遠には続きません。

子供は言葉を本能的に「無意識」で習得する時期にいますが、とは言え、その時期を逃した大人が「自我」を使ってやる勉強と同じやり方を当てはめようとしても、あまりうまくはいきません。

(年齢による脳の働き方の違いは、言語の習得には限らないのですが)
言語の習得に関して、子供と大人は同じではなく、言ってみれば、青虫と蝶ぐらい違います。

飛んで欲しいからと言って、羽のない青虫に飛び方を教えようとしても、飛べるようにはなりません。

青虫には、青虫として取るべき栄養があり、やるべき動きがあり、成長するための時間が必要です。

しかし、青虫のうちに飛ぶ練習をしなくても、しかるべき栄養を取り、動いていれば、やがて蛹(さなぎ)の時期を経て、青虫も蝶になり、立派に飛び立ってゆきます。

同じように、その時期に合ったしかるべき働きかけをしていれば、子どもの脳は、自然に、勝手に「英語回路」を作ります。

これは全くの独断と偏見ですが、私は、本当の意味での「真正バイリンガル」に育てるには、やはり9歳の壁以前に英語育児を始めて、耳からの(音の入力による)インプットで英語回路を作る必要があるのではないか、と思っています。(参考記事:「『おうち英語』と『かけ流し』の本当の意味」)

もちろん、大人になってから学習をしても、本人の頑張りとやり方次第で、十分「使える英語」を身につけることはできます。

ですが、それは、どこまで行っても「外国語」として「後天的に習得した言語」を、どこか「自我」の助けを借りながら運用しています。

別にそれでも十分なのですが、もし、言語習得能力の高い子供時代に適切な英語環境を作ってあげられれば、「自我」で努力したり苦労したりしなくても、「母国語」と同じように使える英語が、自然に勝手に身につくのが、幼児期です。

ところが、この幼児期に、脳に自然に英語回路を作らせるのではなく、英語を「教える」ようなやり方をすると、英語はできるようにはなるかもしれませんが、母国語と同じ運用は望めないのではないか、という気がします。

せっかく早くから始めるのに、結局「自我」に苦労させて「外国語」が上手になるだけだったら、それではもったいないと思うのです。

それでも、小学校高学年や中学生でも、まだまだ脳はすごい勢いで成長していますので、中学時代の、身体的成長がほぼ完成する頃までにかなり頑張れば、限りなく本当のバイリンガルに近づけると思っています。

しかし、いずれにしろ、言語の運用、というのは、ある程度「無意識」のレベルで自動的に行われるところまでは持って行かないと、「使える英語」にはなりません。

英語回路を作る、というのは、この「無意識レベルで自動的に運用ができる」ことにつながっていきます。

これができていないと、いくら「自我」で語彙や文法を強化しても、実際には「使えない」英語しか身につきません。

ですから、子供の英語は、「まず英語回路」→ それができたら、「語彙(知識の蓄積)」の順番は大事です。

そして、大人の英語は、英語回路はできてなくても語彙(知識)は蓄積されている場合が多いので、英語回路を作れれば、それまでに蓄積されてきた知識が生きてきます。
(そのためのインプットの方法については、「アウトプットする学習法」を参考にしてください)

話が逸れましたが、まだ羽のない青虫を無理やり飛ばそうとするような早期英語教育は、どうぞしないでくださいね。

 

次回は「番外編」です。

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