このブログで提唱している「おうち英語」は、「子供の言語習得能力(本能)を利用して、日本語を覚えたように、知らないうちに英語も覚えさせてあげましょう」というものです。
小学校にあがったら、少しずつ読み書きも教えていくことをオススメしていますが、幼児期までは「英語を教える」とか「勉強させる」とか、ましてや「頑張らせる」なんてことは厳禁!という厳しいやり方です(笑)
そんなやり方に賛同して集まってくださっている「おうち英語の会」では、私が常々「アウトプットを無理強いしない!」「しゃべらなくても(インプットさえできていれば)大丈夫!」と言っているので、アウトプットに関するご相談は最近減ってきて、
「アウトプットはあまり出ませんが、淡々と取り組みを続けてます」
というご報告が増えてきました。
一方で、私が常々「『英語ぺらぺら』ではなく『洋書すらすら』をおうち英語では目指そう」と言っているせいか、最近は「読みを教えたい」「早く読んで欲しい」「一人読みしてほしくて〇〇やってます」というお声も増えてきました。
方向としては喜ばしいことなのですが、ちょっと気をつけてほしいのが「急ぎすぎ」です。
「一人で本を読んで楽しむ」というのは、なかなか大変なことで、おうち英語を始めてすぐにその状態になれる天才児は、どこかにはいるかもしれませんが、私はあまり見たことがありません。
日本語の本も、自分一人でどんどん読書し始めるのは(個人差はありますが)10歳前後からではないでしょうか?(うちの娘達はそうでしたが、もしかして遅すぎ?)
もちろん、その前にも、学校の図書室の読書週間などで、半分強制的に読まされる本を一人で読むことはありましたが、そういう外部からの働きかけが何もないのに、自分から「この本を読みたい」と言って一人で読み始めたのは、10歳ぐらいだったような気がします。
英語の本も、読み聞かせではかなり長い本も聞けていましたが、自分からどんどん読むようになったのは、アメリカに行ってからのことですから、やっぱり10歳過ぎてからでした。
いくらその言葉がしゃべれても、「本を読む」って、母国語でもなかなかエネルギーがいります。(お父さん、お母さん、最近、日本語の本読みましたか?)
日本語でも10年かかるなら、おうち英語でも10年かけて、自分から本を読む子に育ててあげましょう。
と言っても、10年間は読ませなくて良い、ということではもちろんありません。
10年後に自発的に本を読むには、少なくとも「読めるようにはしておく」ことは必要で、「読み」の取り組みも少しずつやっておきましょう。
読みの取り組みを考える際でも、言葉というのは「音」なので、まずは音の習得が第一です。(参考 → 言葉は脳に習得させる)
ですので、最初は、文字を介さない(もちろん日本語も介さない)音環境を与えることから始め、「音で聞いて分かる」状態にしてあげ、その後、その音に文字を乗せていくようにするのが理想的です。
おうち英語を始めたのが小学校以降で、日本語の文字(平仮名やカタカナ)を読み始めている場合でも、なおさら文字を読むことを急がせない方が良いです。
音の習得ができていないうちに文字を読ませようとすると、アルファベットに日本語の文字を当てはめてしまい、カタカナ英語で読む癖がついてしまうことがあるからです。
ただ、音と一緒に文字を目にする「文字のインプット」は、最初から始めても大丈夫ですが、その場合に口に出させるとしても、最初は「文字を読ませない」ようにして、文字なしの音を「音のまま真似させる」ようにしましょう。
そして、英語の音に馴染んできたら、少しずつ文字のインプットも始め、良い指導者や教材があればフォニックスなども併用されると良いと思います。
どんなに読めるようになっていても、「子供が洋書を読まない」という記事にも書いたように、日本で育っていて自分から次々と洋書を手に取るようなお子さんは、はっきりそんなにはいません。
我が子がそうであれば、自分の幸運を喜び、そうでなければ「それが普通だ」と思って、まずは読めるようにしてさえあげれば、おうち英語を始めて10年後には、自分から洋書に手を伸ばす子になるかもしれません。
10年かけて洋書に手を伸ばす子に育てるためには、まずはしっかりした言語能力を育てること。
それには、最初は「音のインプット」そして、文字もいきなり読ませるのではなく「文字のインプット」の時期を取ってあげましょう。
ストレスを与えずになるべく自然に読めるように導いてあげた方が、本好きになる可能性は高いと思いますよ。
「おうち英語で子供をバイリンガルに育てたいけど、一人でできるかどうか不安」というお母さん(お父さん)のために「おうち英語の会」をやっています。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。