オンラインコミュニティ「おうち英語の会」のご紹介

ちえみ流・小学生のおうち英語について

バイリンさるのサラミ
おうち英語、小学生ではもう遅いですか?

小学生でおうち英語をスタートすれば、全然遅いなんてことはなく、「おうち英語の会」にも、小学生スタートのご家庭がたくさんあります。

津田塾大学の創設者として有名な津田梅子と一緒に留学し、後にバイリンガルとなって帰国した大山捨松がアメリカに渡ったのも、満11歳の時でした。

Wikipedia によると、この明治の官費留学で、「5人の女子留学生のうち、すでに思春期を過ぎていた年長の2人はほどなくホームシックにかかり、病気などを理由にその年のうちには帰国してしまった。」とのことです。

私も「「おうち英語」と「かけ流し」の本当の意味」に書いたことがありますが、小学生のうちが、おうち英語でバイリンガル育児をスタートするぎりぎりの時期かな、と思っています。

そして、小学校スタートなら、むしろ、日本語の心配をしなくて済むので、日本語の発達に関してはさほど迷わず進めていただくことができます。

(先述の津田梅子は、アメリカに渡った時、満6歳と年少だったため、帰国する頃には日本語を忘れてしまい、日本でかなり苦労したと言われています。)

 

ただ、もちろん、小学生になると(ただ音を聞かせておけば良い)幼児とは違って、いろんな工夫は必要になってきます。

 

おうち英語で築きたい英語の氷山(データベース)

これは、私が最近、勉強会などでよく使っている図です。

この図で言うと、目に見えるアウトプットというのは、海面から上の部分ですが、本当に英語を身につけさせたければ、海中に大きな英語のデータベースを築いておく必要があります。

海面の上を「自我の領域」、海中の部分を「無意識の領域」と私は呼んでいます。

アウトプットや成績は海面から上の部分で、私はこれを「自我での運用」と呼んでいるのですが、自我での自由自在の運用を支えるのは、海中の「無意識」に蓄積されたデータベースの存在で、いくら幼い子がぺらぺら英語を喋っているように見えても、また勉強した範囲で試験で良い点数が取れても、海中のデータベースが小さければ、将来身につくのは、薄っぺらい英語力にしかなりません。

もちろん、最終的には、海面の上(自我での運用)に出せなければしょうがないので、いずれは海面と海中(自我と無意識)を自由に行き来できるパイプを作っていく必要はあるのですが、いずれにせよ、海の上に出ていて目に見える英語だけでなく、海中に広がっている部分も含めて、氷山がどれだけ大きいかが、その子の本当の英語力になります。

 

自我での運用、つまり意識的なアウトプットや試験での正解に結びつける力は、年齢が上がるほどに得意になりますが、氷山の海中部分、つまり無意識部分のデータベースを大きくしていくのは、大人(中学生以上)になってからは大変です。

ですが、小学校時代は、まだ耳が良く、言語習得能力もまだ高いので、中学生以上の大人とは比較にならないぐらい楽に、データベースを大きくしていくことができます。

(こちらの記事も参考にしてください。→ おうち英語で育つバイリンガルって?

 

小学生のおうち英語は「自我」を理解・利用する

ところが、小学生は、既に日本語ができあがって、日本語でいろんなことが分かるようになっているので、自我のバリア(日本語のバリア)が厚くなり、幼い頃からのおうち英語で、どんなに海底に大きな氷山を築いていても、自我の抵抗があると、海面から上に出すこと(アウトプット)が難しくなってきます。

また、小学校で始める場合には、厚い自我のバリアを潜り抜けて、無意識部分に英語の音を届けて氷山を築いていく必要があります。

ですので、この「自我」をよく理解して、自我の抵抗に遭わずに、また時には自我を逆に利用して、無意識領域へのインプットをいかに行っていくかが、小学校時代のおうち英語では大事になります。

 

では、「自我」とはどんなものでしょうか?

まず、自我には個性があるので、アウトプットが得意な子、負けず嫌いな子、読むのが好きな子、逆に、全然英語しゃべらない慎重な子、本を読むより外で遊びたい子など、身につけた英語の外への現れ方が個性に左右されます。

また、自我は分からない物が嫌いなので、英語の番組なんか見たくありません。だけど、字幕を見るなどして「分かる」と思えば、見てくれたりします。

それから、自我は繊細でプライドが高いので、少しでも嫌な思いをすると「英語なんかやりたくない」と言うようになったり、「これ分かる?」と聞かれた時に間違って恥ずかしい思いをするぐらいなら「分からない」と言ったりします。

そして、自我はご機嫌に左右されやすいので、やる気になったらやってくれるけど、飽きたらやりたくなくなる、それが自我です。

 

そんな自我ですが、自我は英語を習得しません

自我とは「習得した英語を外に出す」時に必要なもので、バイリンガルに育てたければ、英語の習得自体は「無意識」の領域で行わなければなりません。

そして、小学校時代は、この無意識での習得がギリギリ可能な年代です。

ですから、自我のご機嫌を損ねないように、自我を尊重しながら、無意識へのインプットを続ける

それが、小学生のうちにやってあげたいおうち英語で、それが、将来の高い英語力につながります。

 

小学生のおうち英語はインプットの黄金期

将来的に高い英語力を身につけさせたいと思ったら、海中の氷山を大きくしておくインプットが不可欠です。

大人になってからこの氷山を大きくするのは難しいのですが、言語習得の黄金期である幼児期も、抽象的な語彙のインプットは(概念が理解できないため)まだあまりできません。

その点、小学生は、だんだん日本語での知恵や知識がついてくるので、高学年ともなるとかなり抽象的な語彙もインプットしていくことができます。(しかも、まだ耳も柔らかく、耳から英語の音のままインプットできます)

小学生のおうち英語はインプットの黄金期で、この時期のインプットが、中学・高校以降の英語力を分けます。(小学校時代のアウトプットは、インプットに比べてさほど重要ではありません)

英会話レッスンや英検など、アウトプットが自我のモチベーションになっているお子さんは、それを上手に活用するのが「自我の上手な取り扱い」ですが、もし、嫌がっているのなら、そこにエネルギーを使うより、自我を尊重して、自我のご機嫌を損ねないように、インプットに徹するおうち英語を続けていきましょう。

 

小学生のおうち英語に関しては、「おうち英語「小学校の壁」を考える」にも書きましたが、それぞれのお子さんの個性や興味に合わせて、かなり細かいオーダーメイドが必要になってきます。

うちの子にはどうすれば良いの?という方は、お気軽にご相談ください。


「おうち英語で子供をバイリンガルに育てたいけど、一人でできるかどうか不安」というお母さん(お父さん)のために「おうち英語の会」をやっています。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。


子供が無意識のうちに自然に英語をマスターし、バイリンガルに育つ「おうち英語」のやり方をお伝えする、10日間のメール講座です。