オンラインコミュニティ「おうち英語の会」のご紹介

ドラマを見て考えたちょっとだけ哲学的な話

バイリンさるのサラミ
最近(私が)こちらのドラマにハマっています

私は、アメリカのドラマを見ながら(聞きながら)家事をすることが多いのですが、最近は、Amazonオリジナルのこちらのドラマ(オムニバス)が気に入って見ています。

Modern Love 

ニューヨーク・タイムズ紙に投稿された読者からのエッセイをドラマ化したものですが、現代アメリカの世相を映すいくつかのエピソードを、豪華俳優陣が人生の機微を織り込みながら見事に演じていて、見終わった後「いいもの見たなー」と心温まる作品です。

それで、「おうち英語の会」の大人英語のサークルで「最近これ見てます」と言ったら、NY Times の元のエッセイ「Modern Love」のPodcast まで教えてもらって、しばらくはこれで楽しめそうです。

 

さて、このドラマの第1話で、妊娠した女性が胎児の超音波写真をある年配の男性に見せたら、彼が

「It’s like the whole universe in there.(まるで全宇宙がここにある)」

というシーンがありました。

 

それで思い出したのがこの本。(私が持っている物とはカバーデザインが違いますが)

脳神経学者の著者が脳卒中に襲われるのですが、専門的な知識を総動員して、脳が壊れゆく過程を観察しながらも、自分で連絡して病院に運んでもらい、一命を取り留めて、奇跡的に生還します。

この本には、著者のテイラー博士が、最初に自分の脳に異変を感じてから、リハビリを経て回復するまでの全ての過程を、当事者の視点に加え、脳についての専門的な訓練を受けた科学者の視点で、観察し続けた様子を克明に綴ってあります。

日本語訳も出ています。

ずいぶん前に原書を読んだきりで、うろ覚えなのですが、この中で、テイラー博士は、左脳が働いていない時は全宇宙とつながっている感覚があって「絶対的な安心と幸福」に包まれ、左脳が働き始めると、不安や孤独が襲ってくる、というようなことを書かれていました。

LSDのような薬物や瞑想は、この(左脳が引っ込んで)絶対的な安心と幸福の感覚を得るのが目的でしょうし、ランナーズハイのような現象は、何かのはずみにこうしたことが起きてしまうのだろうと思いますが、胎児から赤ちゃん時代というのは、この「全宇宙とつながっている存在」なのだろうと思います。

やがて、成長するにつれ、赤ちゃんはだんだんと宇宙と分離された(かのような)一個の自分を確立していき、その過程で、無限に近い可能性の中から、自分の力で遂行可能な能力だけを切り取っていきます。

 

言語の習得で言えば、赤ちゃん時代は、いかなる言語でも習得可能なのですが、やがて「周りの環境にある言語」だけを選び取って習得していき、その他の言語を使いこなす能力は少しずつ手放していきますし、その他の身体能力も、使わないものは少しずつ衰えていきます。

現代だったら、日本で生まれ育つ子供には、「日本語」と、地球上での事実上の共通語「英語」は、能力が衰える前に与えておいてあげたいな。

ドラマを見ながら、そんなことを考えた、というお話でした。

バイリンさるのサラミ
それにしても、これからこういうドラマは、TV局ではなく、ネット企業が作っていくんですねー

【おまけ】ジル・ボルト・テイラー博士の体験は、こちらのTEDトークで聞くことができます。

すごく良いお話なので、是非聞いてみてくださいね。

 


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