昨日、一昨日とご紹介した「基礎英語」の取り組みは、中学生のお子さんにももちろん有効です。
でも、忙しい中学生が、学校の勉強以外にラジオ講座まで、となると、時間的にも気分的にも負担になる場合があります。
そういう場合は、学校の教科書を徹底的に使うのが、やはり良いでしょう。
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中学・高校の英語の授業やテストでは「何となく英語が分かる」だけでは解けない文法問題が出てきます。
こうした文法の指導は、(少なくとも大学受験を目指す進学校であれば)日本の学校英語はきちんとやってくれている気がします。
しかし、それだけでは、海外の人と問題なくコミュニケーションが取れるバイリンガルのレベルには、なかなかなれません。
それは、リスニングや発音の問題もありますが、それより何より、英語を頭から理解する訓練がなかなかできないからです。
日本語と英語では、「またどうしてこんなに!?」と言うぐらい、語順が違います。
私は通訳・翻訳が本業ですが、日本語を英語に(あるいは英語を日本語に)訳すたびに、言葉で思考する際の発想が180度違うんだな、と思います。
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英語を理解し、こちらも通じる英語を発信できるようになるには、まず、この「英語の語順」を体に叩き込む必要があります。
そのためには、学校で習うような細かい文法以前に「英語の構造」を理解することが大切になってきます。
英語の構造を理解するためには、「5文型を見抜く」、そして「頭ごなしで理解する」ことが必要です。
ですから、中学生以上のお子さんに「バイリンガル指導」をする際には、この「5文型」(とそのための「記号リーディング」)そして「頭ごなし理解」を徹底的に身につけていただきます。
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そのやり方ですが、最初に「記号リーディング」をやっていきます。
これは、私が高校の英語の授業で習ったやり方で、巷で言う「スラッシュリーディング」の応用なのですが、まず、ノートに2行おきぐらいに教科書の英文を書き写し、構文に応じた記号を振っていきます。
記号を振ったら、次にその英文を、どんなに長い文でもすべて「5文型に分類」します。
5文型は学校でも習うので、ご存知の方も多いと思います。
記号リーディングと5文型の分類ができたら、さらに英文を細かく見て行き、その後「頭ごなし理解」をやります。
これは、たとえば「スーパーイングリッシュ」のような「英語 → 日本語 → 英語 → 日本語」の教材がやっていることで、英語の語順のままで頭ごなしに理解しましょう、ということです。
ただ、日本語の音声を入れないでやるのが、まだ頭の柔らかい中学生には大事なポイントです。
この「記号リーディング」と「5文型」で構文をしっかり理解した上で「頭ごなし理解」をやることで、英語への理解が深まり、試験でも正解が出せるようになります。
そのやり方ですが、さきほど記号リーディングして5文型に分類したノートの英文に、分からない単語やイディオムがあれば、下線を引いて、日本語の意味を書き込みます。
あとは、それを見ながら、ひたすら「音読」をやります。
音源(倍速があればなお良し)を聞きこんだ後なら、オーバーラッピング、シャドーイングなどをやると、より効果的です。
これをやれば、リスニングも長文問題もラクに解けるようになって、英語の成績はかなり上がりますし、学校の成績だけでなく、将来、流暢にしゃべれるバイリンガルへの素地を養うことができます。
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中学生以上のお子さんへの「バイリンガル指導」では、勉強の仕方を教えますので、やり方さえ身につけば、あとは学校の教科書を使って自分でできる勉強法です。
飲み込みの早い生徒さんなら、一回指導を受ければ十分の場合もあります。
やり方を一度覚えてしまえばどんな英語の素材にも応用できるので、自分でできるようになれば、もう指導者は必要なくなります。
英語に関しては、塾に通う必要もなくなるでしょう。
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赤ちゃん時代と違って、中学・高校生は、お母さん(お父さん)が環境を作ってあげれば勝手にバイリンガルに育つ、ということはないので、本人が自分で努力する必要があります。
でも、せっかく努力するなら、効果の上がるやり方でやって欲しい、と思います。
ここまでできれば、語彙も身についているでしょうし、あとは学校で習う文法事項や英文和訳をきちんと押さえれば完璧ですが、受験のための文法や和訳は、最悪、受験前の駆け込みでもかなり追いつける部分です。
受験が目の前で切羽詰まってる、というお子さんでなければ、一度この「バイリンガル指導」を受けていただくと、将来本当に役に立つ英語の勉強法が身につきます。
ご興味のある方は、こちらよりご連絡ください)
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「おうち英語で子供をバイリンガルに育てたいけれど、一人でできるかどうか不安」というお母さん(お父さん)のために、「おうち英語の会」をやっています。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。