オンラインコミュニティ「おうち英語の会」のご紹介

中学生のおうち英語学習法

昨日は次女(中2)の授業参観でした。

一度、中学の英語の授業風景を見てみたいと思っていたのですが、中1の去年の授業参観は数学と理科で、よそのクラスまで見に行くエネルギーはなく(と言うか、その時になるとそんなことすっかり忘れて、我が子に集中してたので)、初めての次女の「英語の」授業の参観でした。

習っていたのは「過去進行形」

「めあて」は ・過去進行形を使って「~したこと」を聞いたり伝えたりできるようになろう (だったかな?)

なるほど、これが中学の英語の授業か

中学に入って初めて英語を勉強する子もいるので、授業自体はこんな感じでやるしかないだろう、とは思いましたが、率直な感想として 「学校の英語だけやっていても、英語はできるようにならないだろうな」 と思いました。

まぁ、私自身がかつて「学校英語はすごくできる」生徒で「英語の成績はすごく良かった」のに、大人になったら「英語は全然しゃべれないし、読めない」見本のような存在でした。

とは言え、時代は少しは変わってるかな、と思っていたのですが、あんまり変わってないようでした(笑)

第二言語習得のために必要な3つの要素:音と語彙と文法

日本の普通の小学生(=「おうち英語」で、英語を「第二の母国語」として習得しなかった子)が、中学に入って英語を習い始めると、英語を「外国語」として勉強していくことになります。

外国語を習得するには、「第二言語習得のための理論」がありますので、それに従った学習をしていく方が、英語が得意になります。

第二言語習得のためには「① 音声理解」と「② 意味処理」が必要だと言われていますが、この2つを身につけるためにやるのが、「音」「語彙」「文法」の学習です。

この3つの要素(音、語彙、文法)のうち、学校英語で教えてくれるのは、主に「語彙」と「文法」で、そもそも「音声理解」につながる授業は、あまり行われていないようです。

「① 音声理解」には英語の「音」の習得が必要で、「② 意味処理」のためには「語彙」や「文法」が必要なのですが、英語の授業と言われた宿題をやっているぐらいでは、それぞれがせいぜい「考えれば分かる」「時間をかければ思い出せる」状態でしょう。

これでは、実用では使い物にならないのはもちろん、英語の試験でも、あまりに時間がかかり過ぎれば点数につながりません。

また学校の授業で「語彙」と「文法」をやるとは言っても、授業で理屈を理解したり、覚えるべき単語は何かが分かるだけです。

それが分かっただけでは「意味処理」できるようにはなりません。

「意味処理」ができるようになるためには「大量の反復練習」が必要なのですが、これは授業ではやらないので、生徒がどこかで自分でやる必要があります。

ところが、そのやり方も授業では教わりません。

宿題に「ワーク」が出ますが、これでは「大量の反復練習」とは言えず、また、文字中心の勉強ですので「音声理解」にはつながらず、結果として「音声理解」も「意味処理」も身につかないまま、それでも何とか英語のテストでは点数が取れたとしても、実際に使える英語は身につかないのです。

中学生(以上の大人)が英語を身につけるには「音読」

外国語の学習は、スポーツと同じで、理屈とルールを理解したら、あとは実際に自分でもできるようになるため、「反復練習」すなわちトレーニングを重ねるしかありません。

私の好きなフレーズで言うと「潜在意識がイメージを結ぶまで」というところなのですが、要するに「考えなくても体が自動的に動く」という、ある程度、無意識でできる状態にまでもっていかないといけません。

そのためには、楽器を弾いたり自転車に乗ることと同じように、体に叩き込んで、体に覚えさせる必要があります。

外国語としての英語を上達させるのは、スポーツが上手くなるのと同じようなものです。

学校の授業で、テニスのルールとラケットの持ち方、ボールの打ち方を習って、筆記試験で100点が取れても、それでテニスが上手くなる訳ではなく、実際にボールを使って練習しなければ上達はありませんが、英語もこれと同じです。

また、テニスの練習でコートに出る前には、体力や基礎的な身体能力が必要ですが、英語もこれと同じです。

さて、テニスの場合は、家で一人で自主トレと言ってもできることは限られていますが、英語は家で一人で上達させることができるので、中学生でも(大人でも)おうち英語で英語を身につけていくことができます。 (試合は相手がいないとできないように、実践の会話には相手が必要ですが)

おうち英語でできる自主トレで一番やりやすいのは「音読」です。

英語の上達には「音読」が良いということで、宿題に出る学校もあるようですが、音読を繰り返せば「意味処理」の精度とスピードが上がるので、テストの点数も上がっていきます。

ただ、日本語アクセントを矯正しないまま、やみくもに音読しても、「音声理解」は進みません。

これでは、筆記テストではある程度点数が取れるようになるかもしれませんが、リスニングで苦労しますし、実際に外国人と会話しようとしたら、なかなか通じなくて悔しい思いをするでしょう。

学校教育でも、もう少し「音声理解」を重視した方がいいと思います。

中学生のおうち英語(家庭でできる英語の自主トレ)

英語力を上げるためのトレーニングには、「クイックレスポンス」「ディクテーション」「シャドーイング」「頭ごなし訳」「速音読」など、いろいろなものがあります。

しかし、どれもただやみくもにやるだけでは効果が低く、またシャドーイング1つ取っても、目的によって選ぶ素材ややり方が変わります。(留学を控えている場合などは、指導者についてトレーニングした方がいいでしょう)

学校の成績を上げて受験に備えたい中学生(高校生も)だったら、教科書を音読しましょう。

その時、意味の分からないものを字面だけ追って、ただ何となく読んでも効果はあまりありません。

教科書を使った音読トレーニングのやり方をご紹介しておきます。

教科書を使った音読のやり方

・事前準備

音読する前に、知らない単語の意味を辞書でじっくり調べ、文法事項をきちんと学習し、英文の構造を理解しておきます。 知らない単語の意味を下に日本語で書き込んだり、修飾語句の関係を矢印で示したりしておいてもいいでしょう。

・いよいよ音読開始

英文の意味がしっかり理解できたら、いよいよ音読します。 まず最初は、ゆっくりと、意味の区切りを意識しながら読みます。

できれば、CDなどのお手本を用意して、1文ずつ聞きながら、お手本そっくりに読めるよう、イントネーション、強弱、息継ぎまで真似するつもりで読むと、リスニングもすごく上達します。

読む時は、頭の中で(日本語でいいので)意味を意識しながら、声に出して読みます。

だんだん、意味を意識しなくても、意味が分かる感覚で読めるようになっていき、スピードも速くなります。

最低でも50回、できれば100回かそれ以上、英文を覚えてしまうぐらい音読します。

5回ごと、10回ごと、など、ストップウォッチで時間を測って、どのくらい速く読めるようになっていくか、時間を記入していってもいいですね。

スラスラと速いスピードで読めるようになったら、次の英文に移ります。

・教科書だけでなく、テストの長文も音読

教科書だけでなく、テストの長文問題でも何でも、間違ったところを見直して終わり、ではなく、本文から問題文、選択肢に至るまで、全ての英文を上記の方法で音読するようにすれば、成績もぐーんと上がります。

教科書の英文やテストの長文も、量的には大したことないので、英語が上手くなりたい人は、どんどん音読をやりましょう。

(参考記事:「中学生以上のバイリンガル指導」)

おうち英語っ子も音読が必要?

音読がそんなに効果があるなら、おうち英語っ子も音読をするといいのか?

という疑問が湧く方もいらっしゃると思います。

小学校の頃は、国語(日本語)でも音読の宿題が出るように、第二の母国語として英語を習得してきたおうち英語っ子にとっても、英語の音読は、もちろん効果があります。

もちろん効果はありますが、おうち英語っ子は、大量の反復をしなくても既に「音声理解」も「意味処理」も、自然に身につけているはずですので、おうち英語で読解力までしっかり育っている場合、中学以降、音読は必ずしも必要ありません。 (参考記事:「学校英語のために、おうち英語では『読解力』まで」)

そして、既に「音声理解」も「意味処理」もできる状態ですから、テストでも(あまりに細かい文法の問題以外)苦労することなく正解に辿り着けます。

つまり、反復練習のための長時間の勉強時間が不要で、高い成績を上げられる、というお得な状態なのです。

ただ、読みが少し弱いおうち英語っ子には、ここでやったのとは違うやり方の音読が役に立ちます。

もっとも、このへんは個々のレベル(小学校のうちにどこまでやってあったか)や、目標(中学高校でどこまで行きたいのか)によっても変わってきます。

小学生と言っても、ちょっと音に親しんでいるだけの場合と、英検1級を取るぐらい高度な英語力を身につけている場合では当然違いますし、高校生でも、もうすぐ1年間の交換留学に出かける場合と、受験のために長文読解を鍛えたい場合では、鍛えたい分野もトレーニング方法も違います。

この辺は、いつかまた記事にしたいと思います。(いつだろう?笑)

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