完全に私の独断と偏見による「バイリンガルの育て方」シリーズ。 今回は、小学生へのインプットの意味を考えたいと思います。 (前回は、コチラ(その8)/第1回から読みたい方は、コチラ(その1))
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前回の記事では、小学生のインプットについて、その子に合わせたオーダーメイドの考え方について書きました。
インプット、インプットとうるさいのですが、「まずは、1にも2にも『インプット』」という記事にも書いたように、おうち英語で本格的にバイリンガルに育てようと思ったら、子どもの英語は、まずは音のインプット、1にも2にもインプットです。
もし、英語育児を始めるのが早くて、小学校にあがる頃にはしっかり英語回路が育っている子どもなら、必ずしも「音のインプット」ではなく、読書からもインプットできますが、それでも、日本にいる限り、音のインプットは絶やしたくありません。
そして、小学校時代は、「英語回路を育てる」だけではなく、「英語をレベルアップさせる」ためのインプットの黄金期です。
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小学生になると、赤ちゃんっぽさが抜けてだんだんしっかりしてくるし、日本語でも勉強の習慣がついてくるので、英会話レッスンや、英検対策の読み書きを教えてくれる教室で英語を「習わせる」ことをしたくなります。
それ自体は良いのですが、それでインプットが疎かになってしまうと、せっかくの小学生時代という、まだ時間もあり耳も良い時期がもったいないな、と思うのです。
例えば「今日の天気は?」「この色は何色?」といった会話が小学校のうちにできたら、確かにすごいかもしれませんが、その程度の英語は、(評判の悪い)日本の学校英語でも中1で終わってしまう内容です。
それ以上のことが言える、いわば「使える英語」を身につけたければ、英語の構造と語彙や表現を頭に(体にも)叩き込む必要があります。(つまり「英語回路」と「語彙」)
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これには、大量のインプットが必要になります。
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最近の大人の英語教室(英会話レッスンやTOEIC講座など)では、外国語学習には3000時間の質を伴ったインプットが必要だと言われており、そのうち2000時間は学校教育でやってきているはずなので、あと1000時間をここで勉強しましょう、という考え方が主流になっているようです。
この大人の1000時間というのは、「かけ流し」なんて楽チンなものではなく、1000時間の勉強が必要、という意味です。
「使える英語」のための英語回路と語彙を身につけるのに、そのぐらいの時間をかける必要がある、というのです。
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これが物理学の数式の勉強だったら、あまり早くから始めても子どもは理解できないので無駄かもしれません。
でも語学に関しては、そもそも子どもの方が習得能力が高いので、小学生のうちにインプットの貯金をしておくことができるのです。
しかも、小学生も高学年になってくると、幼児には理解できない難しい内容も理解できるようになるので、うまく導けば、高度な語彙のインプットもできます。
ですから、せっかく小学生に英語をやらせるのに、インプットをしないで、英検の問題を解いたり、会話の練習をするのは時間がもったいない、と思うのです。 (大きな声では言えませんが、小学校の「外国語の時間」も何とかならないか、と常々思っています)
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学校教育を今すぐ変えることはできませんが、おうち英語で何をするかは、お母さん(お父さん)次第です。
会話の練習は大人になってからでも十分できます。小学校のうちは、とにかくどれだけ沢山インプットできるか、を考えてください。
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英会話レッスンや英検対策の読み書きなどのアウトプットも、自我が育ってくる小学生に「効率的にインプットするためのアウトプット」と捉えると、どういうアプローチを取ればいいのかが見えてくるのではないかと思います。
例えば、英会話レッスンだったら、インプットが十分できた上でならとても効果が上がるし、英検はモチベーションを上げるため、そのための読み書きもインプットとして捉えることができます。
「小学生のおうち英語はインプットの時期」という前提で、このブログでもいくつか記事を書いていますので、参考にしてみてください。
・「小学生の英語学習法」 ・「小学生の英語学習法(書く練習)」
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まとめると
小学生のおうち英語は「インプット」の時期と思うべし。
長い目で見ると、それがお子さんにあげられる最高の「英語という贈り物」になると思います。
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次回は、最近の英語育児で流行している「語りかけ」について書きたいと思います。
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