オンラインコミュニティ「おうち英語の会」のご紹介

「ネイティブ並み」「年齢相応」という幻想を捨てる

バイリンさるのサラミ
子供時代に「ネイティブ並み」「年齢相応」にこだわる必要はないんです!

突然ですが、世の中(= 大人の世界では)TOEICがとっても流行っていますね。

英語は使わないと錆びつくので、私も、仕事がない時でも、なるべく毎日音読・シャドーイングや通訳トレーニングをするように心がけていますが、「TOEICの勉強」というのは取り立ててやったことがありません。

TOEIC自体は時々受けていて(今年は新型コロナもあって受けていないのですが)、受験するたびに「今回は満点行けたかも?」と思うのですが、毎回970〜980点台で、満点を取ったことがありません(笑)

TOEICは、答案も持って帰れないし、答え合わせもできないので、どこでどう間違ったのか確認もできず、TOEICに特化した勉強をする余裕もないので、死ぬまでに満点取れる自信もないです(笑)

 

通訳業界は、景気に左右される面はありながらも、もともと縮小傾向にある市場で、それに加えて新型コロナの影響で、地方の泡沫通訳者の私は、今年はさっぱり仕事が来ませんでした(笑)

その代わり、在宅勤務で時間が増えたビジネスマンを中心に、海外からもお申し込みをいただくようになり、TOEIC満点も取れてない私にも、英語コーチングのご依頼が増えました。

コーチングにお申し込みいただく方は、私が通訳者ということはご存知ですが、通訳者は「ネイティブと同じ」だと思ってらっしゃる方も多く、「ネイティブと同じになんか、なれませんよ」と言うと驚かれることがあります。

また、通訳の現場でも、通訳者は「どんな言葉でも訳せる(英語にできる)」と思われている節があります。

でも、通訳者と言っても、本当にネイティブ並のバイリンガルばかりではなく、むしろ私のような「勉強して英語ができるようになった」という人も多く、「えーっ、こんな日本語、なんて訳せばいいの?」と冷や汗をかくこともあって、通訳者同士そういう話で盛り上がることもあります。
(私の友人通訳者が多数執筆に参加している、こんな本もあります → 「同時通訳者が『訳せなかった』英語フレーズ」)

ですから、もちろん英語力、通訳スキルを上げる勉強はしながらも、「現場で訳せない言葉に遭遇した時」「現場で発言が聞き取れなかった時」の対処法も学んでいきます。(話者の発言が聞き取れないことなんか、日本語でだって珍しくありませんし)

ちなみに私は英検1級にも合格したことがありますが、合格直後は、今より全然英語ができず「この程度で1級って合格できるのか」と思ったのを覚えています。

大学院に入る時には、TOEFLを(この時もそのための勉強はせずに)受けましたが、ノー勉でも大学院出願に必要なスコアは十分超えました。

それでも、その後の大学院生活では、やっぱり英語でとっても苦労しましたが、一応、授業の内容を理解したり、クラスで英語でディスカッションや発表をしたり、小論文を書いたりはできました。

 

何が言いたいのかと言うと、大人になってから「ネイティブ並み」なんて、まずなれないけど、そうでなくても英語でコミュニケーションを取ったり、英語で情報収集したり発信することはできるのだ、ということです。

英語を学習していると「映画の英語が聞き取れなかった」「この部分が分からなかった」と落ち込むことがありますが、考えてみれば、日本語だって、常に全てが聞き取れている訳ではなく、全ての単語を知っている訳でもありません。

言語を使って、「コミュニケーションが取れる」「仕事が進む」「情報収集、情報発信ができる」などの目的が達成されれば良いのです。

外国語の習得にことさらに「ネイティブ並み」を求めず、まずは「使える」英語を身につける(身につけさせてあげる)、その後、本人が望むなら「ネイティブ並み」を(自分で)追求するのが現実的です。

 

おうち英語でも「ネイティブ並み」とご希望の家庭がありますが、ネイティブ並みにしようと思うと、環境を整えるのが大変で、親には並々ならぬ覚悟が必要ですし、子供も(普段いらない英語をやるのは)大変です。

それより、おうち英語をやっていれば、「英語の音を英語の音のまま処理できる力」と、「英語を日本語に直さずに理解できる力」が身につくので、大きくなってその気になれば「ネイティブ並み」もすぐに達成できます。

 

また、おうち英語で「年齢相応の英語を維持してあげたい」とご希望の家庭もありますが、幼稚園(保育園)ぐらいまでなら、子供の世界が狭いのでまだしも、日本で普通の小学校に通って、普通に成長していたら、英語もそれと同じ力を維持しようと思うと、これも親子共に負担が大きいです。

インターナショナルスクールにでも通っていれば別ですが、普通の日本の小学校で、英語ができてもほとんど(あるいは全く)子供は得しません。

場合によっては、英語ができることで、からかわれたり、いじめの対象になってしまうこともあります。

親としては「将来必ず役に立つ」と思いますが、自分にとって一個も良いことのない英語を、親にあまり張り切られると、子供にとっては良い迷惑です(笑)

 

ここでまた私の話で恐縮ですが、私はおうち英語されずに育って、ネイティブ並みとは言い難い英語を苦労して身につけましたが、アメリカの大学院では、高校時代の受験英語で習った語彙や文法に助けられました。

ディスカッションではネイティブの学生のスピードになかなかついていけませんでしたが、論文の文法や語彙の選択を直されることは少なく、「きちんとした英語」だと褒められることもありました。

子供時代には、年齢相応どころか全然英語に触れてなくても、中学生・高校生になったら、どうしたって年齢相応の英語を学びます。

ですから、おうち英語では、小学校までに、最悪、幼児英語でも良いから、英語を「自分の言葉」として楽しめるようになっておくと良いと思います。

それは、「英語の音を身につける」「日本語に直さず(英語の語順で)意味を受け取れる」「できれば読める」ということです。

小学校までにその力を身につけ、英語を自分の言葉(第二の母国語)として楽しめるようにしておき、あとは中学・高校で習うことをしっかり押さえて、その後、進学や仕事で必要になったら、その分野の語彙を覚えていけば、その時点で十分「年齢相応」で「ネイティブ並み」になれます。

子供の頃に「年齢相応」「ネイティブ並み」にこだわって、英語を頑張りすぎるあまり、子供時代に大事なことを忘れて育つことがないように、と願っています。

 


「おうち英語で子供をバイリンガルに育てたいけど、一人でできるかどうか不安」というお母さん(お父さん)のために「おうち英語の会」をやっています。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。


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