私は常々「『英語ぺらぺら』より『洋書すらすら』をおうち英語では目指そう」ということを言っています。
そのせいか、最近、「おうち英語の会」の座談会や個別相談でも、「英会話レッスンでしゃべらない(しゃべれない)」というご相談より、「どうやって読めるようにすれば?」というご質問をいただくことが増えてきました。
昨日も座談会で、「読み聞かせ」や「暗唱」「音読」の話題で盛り上がったので、今日はそれについて書いてみます。
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絵本の「読み聞かせ」と「暗唱(音読)」は「取り組み」と「お楽しみ」に分けて考える
読み聞かせや暗唱(音読)は、「取り組み」として行うのか、「お楽しみ(娯楽)」として与えるのか、分けて考えると良いと思います。
大人の英語学習で「多読」と「精読」という分け方をしますが、「取り組み」は精読に当たり、「お楽しみ」は多読に当たると考えると分かりやすいかもしれません。
「取り組み」として読み聞かせを行う場合は、暗唱(音読)にまで導いた方が良いのですが、「お楽しみ」として読み聞かせを行うのなら、子供が読んで欲しい本を読んであげて、その本について楽しくお話ししたりするだけ(日本語でもOK)にして、子供に「はい、じゃあ自分で読んでみて」などと言わないようにしましょう。
これについて、もう少し詳しく説明します。
絵本の暗唱(音読)について
絵本の暗唱(音読)をやる意味
英語の本を一人で読めるようにするには、「文字を読めるようになる力」と「ストーリーを耳で聞いて楽しめる力」が必要です。
「文字を読めるようになる力」は、フォニックスなどでつけてあげることができますが、英単語を読める大人でも英字新聞や洋書を楽しめないのは、(語彙が足りないせいもありますが)「英文を耳で聞いて理解する力」が足りないからです。
子供は「文字を読む」よりもまず「耳で聞いて楽しむ」ようになるのが得意です。
このため、幼い子には、読み聞かせやかけ流しで「耳で聞いて楽しむ力」を育ててあげましょう。
耳から何度も聞いたお話を覚えてしまえば、自分でも絵本をめくりながら、音を再現することがあります。これが「絵本の暗唱」です。
日本語でも自然にこういうことはやりますが、これを取り組みとして体系化して行うのが、おうち英語の「絵本の暗唱(音読)」です。
絵本の暗唱(音読)のやり方
ランダムに読み聞かせるのではなく、一定量を一定期間かけ流し、取り組みとして暗唱を促します。
文字が読める子の場合は音読になっても、それは問題ありません。
ポイントは「耳で聞いて分かる」状態のものを、絵本(の文字)を見ながら暗唱(音読)する、ということです。
そして、この「取り組みとしての暗唱(音読)」は、子供が一切暗唱(音読)しなくても構いません。
「かけ流し(など)で音がしっかり入って、耳で聞いて分かる状態」で「その音と対応する文字(絵本)がどれか分かっている状態」になっていれば、取り組みとしてはそれでバッチリです。
もちろん、声に出して暗唱(音読)することで、英語を発音する筋肉(発話の筋肉)が鍛えられますので、読んで(暗唱して)くれる子供の場合は、なるべく褒めて、おだてて、上げて、その気にさせて、読ませる(暗唱させる)のが良いのですが、嫌がる子に無理やりさせる必要はありません。
ただ、「取り組み」ですから、できるだけ習慣化して行うのがオススメで、これを習慣化できると、一人で読めるようになった後にも、音読を続けやすくなります。(そして、小学校時代に音読を続けられれば「洋書すらすら」かつ「英語ぺらぺら」になる確率がぐんと高くなります)
読み聞かせについて
座談会などでよく「音声付きの絵本は、どういう風に使えば良いですか?」とご質問をいただくことがあります。
「取り組み」として暗唱(音読)させたいなら、上記のやり方で音のインプット(かけ流しなど)をして、その後、本人に読ませる(暗唱させる)と良いと思いますが、「お楽しみ」として使いたいなら、読み聞かせ代わりに、一緒に絵本をめくりながら音を流して、親子でその絵本を楽しみましょう。
どんなに楽しい絵本でも「読んでみて」と言われると、楽しいものも楽しくなくなります(笑)
英語ができるようになった子なら、ただ音声をかけてあげるだけでも良いと思います。
(そうやって、ハリーポッターを楽しむようになったお子さんの様子はコチラ → 「バイリンガルに育った子は、本を読むより耳から聞いた方が楽?」)
「お楽しみ」の絵本は「お楽しみ」と割り切って、親子で楽しく触れるだけにしておき、子供に洋書の読書を楽しむようになってほしければ、
・家にある洋書(絵本)を全部読ませようとしないこと
・英語の絵本を全部「取り組み」にしないこと
を心がけましょう。
また、「お楽しみ(娯楽)」と言ってもそんなに急がず、昨日の記事にも書いたように「おうち英語で子供を楽しませるのは英語を身につけた後」ぐらいに考えて、のんびり導入していきましょう。(急いてはことを仕損じますよ!)
読書家(本好きな子)にする秘訣?
以前、「子供が洋書を読まない」という記事にも書いたことがありますが、英語が読めるようになっても、自分から次々と洋書に手を出す子供は少ないです。
そんな時は、読みたくもない洋書を無理強いして「英語キライ」にさせるより、読める力さえ養っておけば十分です。
読める力さえついていれば、中学・高校以降、本人がその恩恵に預かりますし、読みたくなれば自分から読むようになります。
また、子供を本好きにするのに、読み聞かせも別に必須ではないと私は思っています。
それでも読み聞かせは、親子の素晴らしいふれあいの時間だと思いますので、わざわざそれを子供にとって「めんどい取り組み」にせず、「ママ(パパ)と一緒の楽しい時間」にするように心がけましょう。
ちなみに、我が家では、次女が小5(か小6)の時に、「読みたいけど、英語が(古風で)難しい」と言うので、「大草原の小さな家」のシリーズを、毎晩、私が読み聞かせました。(最近、このシリーズをまた、今度は自分一人で読み返していました)
読み聞かせは、何歳まで、ということもありませんし、冊数を決める必要もありませんので、ママ(パパ)にとっても子供にとっても、無理なくできる範囲で、楽しくやるのが一番だと思います。
ところで、先日「洋書スラスラに一石? 次女の洋書の読書と7-day English」という記事にも書いた通り、うちの次女は、ちょっと受験勉強始めたかな?と思っても、気がつくとやっぱり本を読んでいます(笑)
この記事でも注文したことを触れた「The Lord of the Rings」も、先日(イギリスから発送されて無事)届いたのですが、渡してしまうとまた勉強もせずに読みそうなので、とりあえず私が預かっています。
そんな次女ですが、しばらく前までは、自分用の iPod Touch で、YouTubeばかり見ていました。
まぁ、いろいろあって、少し前にこの iPod を取り上げたのですが、それ以来ヒマらしく、(受験勉強すりゃーいいのに)図書館で借りてきた日本語の本だけでなく、家にある洋書も読めそうなものは手当たり次第読んでいます。
ちなみに長女は、受験勉強に必死で、本を読む余裕など、これっぽっちもありません。
子供に読書させるには、ヒマにさせるのが一番なのかもしれません(笑)
「おうち英語で子供をバイリンガルに育てたいけど、一人でできるかどうか不安」というお母さん(お父さん)のために「おうち英語の会」をやっています。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。