オンラインコミュニティ「おうち英語の会」のご紹介

パルキッズ「アイキャンリード(I Can Read!)」を使った読解力育成法

バイリンさるのサラミ
パルキッズのプリスクーラーを始める時に、アイキャンリードも一緒に始めた方がいいの?

今日は、パルキッズのお問い合わせで、最近よくいただくご質問にお答えします。

(念のために申し添えますと、ここで書いていることはあくまで私の「個人的な意見」で、パルキッズの公式の指導ではありませんので、気になる方は、公式Webサイトでご相談くださいね)

最近よくあるご質問とは、こちら(↓)

アイキャンリード(ICR)はあった方が良いですか?

パルキッズの プリスクーラー の購入を考えているのですが、アイキャンリード(I Can Read!)もつけた方が良いのでしょうか?

それとも、アイキャンリードは、ラズキッズ(Raz-kids)などでも代用可能でしょうか?


バイリンさるのサラミ
確かに、いろいろあって分かりづらいですよね 
このご質問に、私なりにお答えします!

アイキャンリードとは、将来的に洋書を読める子に育てるための、絵本の暗唱教材です。

「おうち英語の進め方」に書いているように、私は、おうち英語はまず何をおいても「かけ流し」と「意味づけ」が大事で、次に大事なのは「語彙を増やすこと」だと思っています。

そして、「読めるようにする」のは、「その後、余裕があれば」で良くて、あれもこれもできないなら、家でやらなくても、いずれ学校で教えてもらう時に本人が頑張れば良いと思っています。

 

その一方で、高い英語力をつけさせようと思うなら、将来本当にその子の役に立つ英語としては、「英語ぺらぺら」ではなく「洋書すらすら」をおうち英語では目指そうということを呼びかけています。

実際、我が家でも、英会話レッスンは全然やらなくても、絵本の暗唱はしっかりやって、「洋書が読める子になるように」と思って娘達を育ててきました。

 

しかし、子供時代に、音が入っていないうちに読みを急ぐことには、それなりの弊害もあると思っています。

ですので、最初にあれこれ考えるのが大変なら、まずは「かけ流し」だけでも、と思っているのですが、いずれ「読み」まで、と考えるなら、やはり「絵本の暗唱」がオススメで、絵本の暗唱をやるとしたら、パルキッズの「アイキャンリード」が、一番手軽に(そして長期に渡って確実に)続けられると思います。

ですので、今日はこれについて、ちょっと詳しく書いていきます。

 

読みを急ぐことの弊害

読みを急ぐことの一番の弊害は「発音」です。

字が読めるようになると、人間は必ず文字に音を当てはめて読もうとします。

ひらがなが読めるようになった子に英語を読ませようとすると、英語の音をしっかり自分の中に持っている子なら、英語の音で読めますが、英語の音をまだ十分習得していないうちに、読みを急がせると、自分が持っている日本語の音を、英単語にも当てはめて読もうとしてしまいます。

そうすると、発音が自己流のカタカナ英語(日本語発音)になって、矯正が大変になる場合がありますし、先々のリスニング能力にも悪影響を及ぼします。(詳しくは → 「教科書(読み書き)中心の学校英語を始める前に」)

 

また、読みを急ぐことの2つ目の弊害は、「読むだけは読めるけど、分からない(または楽しめない)」状態になりかねないことです。

英語を音で(耳から)聞いて理解する力が弱いうちに、フォニックスなどで「アルファベット単位」で読めるようになり、そこから「単語単位」で読めるようになると、英語自体は読めるようになっても、英文を理解しながら読んだり、内容を楽しんだりするのに苦労する場合があります。((詳しくは → 「読解力と音の関係」)

 

このブログでは最初から「言語とは音である」と述べているように、言語の習得には「音の習得が最優先」なのですが、小学生ぐらいになると、どうしても「読める」ということに目が行ったり、英検のために「読み書き」に力を入れるご家庭が増えてしまいます。

読めること自体は悪いことではないのですが、「まずは音」ということを忘れてしまうと、上記のような弊害が生まれてしまいます。(これは、文字中心で学習をせざるをえない学校英語の弊害とも重なっています)

このため、このブログでは「読み」については「かけ流し」ほどには詳しく書いてきませんでした。

しかし、将来的に「洋書すらすら」に持っていきたいなら、読みへの導入も早くから始めるに越したことはなく、それには「音」から「読み」に自然に導く「絵本の暗唱」が何よりオススメで、それを誰にでもできるように体系化してあるのが、パルキッズの「アイキャンリード」です。

 

アイキャンリードの進め方と特徴

アイキャンリードの取り組み方は、毎日、

① かけ流しで音をたっぷり入れ、
② オンラインレッスンで内容を確認しながら、声に出して一緒に読む(または一人で読む)のを促す

というものです。

文字が読めないうちは暗唱しますが、読めるお子さんは音読します。

読みを育てるのが第一の目的で、声に出させるのは必須ではありませんので、嫌がる場合には声を出して暗唱(音読)しなくても大丈夫です。(詳しくは → 暗唱しない子の暗唱の取り組み

でも声に出せれば、将来のスピーキング力を育てることにもなります。(詳しくは → 「子供に英語をしゃべらせるべきか?」)

 

いずれにしろ、この取り組みをすれば、絵本の文字の部分を一連の音として頭に入れ、そこに文字を乗せていくことになりますので、絵本を眺めながら、頭の中でその英文が音として流れる状態で、暗唱(音読)することになります。

この「英文が音として流れる」というのが、内容を理解したり読書を楽しむにはとても大事です。(詳しくは → 「英語は読めるのに自分からは読まない」)

ですから、フォニックスなどで「単語単位」で読めるようにしていくより、多少回り道に思えても「音を覚えたものを読む」というのが将来の読書につながりやすいので、私は、フォニックスや音読の取り組みを急ぐより、まずは絵本の暗唱をオススメしています。

 

他の教材で代用可能か?

じゃあ、最初のご質問のように「ラズキッズ(Raz-kids)」や「Little Fox」のような電子絵本の教材で代用可能か?ということですが、こういう教材や音源付きの他の絵本(CTP や ORT など)でも、工夫すれば代用可能だと思います。

絵本の暗唱(音読)については、コチラの記事(絵本の読み聞かせと暗唱(または音読)について)にも詳しく書いていますが、CTPやORTは、音源があれば、このように進めていくことができます。

CTPやORTとアイキャンリードの違いは、CTPは「楽しい」絵本で、子供の自我に訴えやすいので、好き嫌いが出やすいこと、ORTは英語圏の国語としての英語の副教材ですので、読みを育てるための暗唱としては少し使いづらいことです。

その点、アイキャンリードは、暗唱に特化してあるので、絵本は自分でプリントアウトして製本する必要があるなど、絵本としての質は期待できませんが(笑)、かけ流しができれば、あとはオンラインレッスンにお任せすることで、2年間(アイラブリーディングまで取り組めば4年間)何も考えずに、暗唱の取り組みを習慣化できます。

また、ラズキッズや Little Fox は、かけ流しをするのが(不可能ではありませんが)とても手間がかかります。
そして、かけ流しをしなければ、音源があっても、音を習得しないで読めるようになった子は、自己流の発音になってしまう危険があります。

また内容もまるっきり「自我」に訴える教材ですので、好き嫌いが出やすくなります。

ラズキッズや Little Fox などは、読めるようになってきたお子さんに、お話の楽しさを教え「多読」に導くには良い教材ですので、絵本の暗唱が「取り組み」だとしたら、こうした多読を「お楽しみ(娯楽)」として併用していくのが理想的だと思います。

 

おまけの取り組み:絵本の書き出しプリント

アイキャンリードには、「書き出しプリント」があります。

これは、かけ流しでたっぷり音を入れ、自分でも暗唱(音読)した絵本を、文字のない絵だけのプリントに書写する取り組みです。

特に、年齢が上がってからおうち英語を始める場合には、音を真似するよりも書き写す取り組みの方が、子供も楽にできる場合があります。

書く取り組みは、聞いて声に出すだけよりも、子供自身に「やった!」という達成感をもたらしやすく、本人のモチベーションが上がる効果があったり、また、書写することで、読みだけでなく語彙や文法の強化にもなります。

これは、幼児には不要な取り組みですが、年長〜小学生ぐらいのお子さんには、これが(「本人が張り切ってやってます!」とのことで)意外と好評です。

 

結局、アイキャンリードはつけた方が良いんですか?

ということで、プリスクーラーを始める時にアイキャンリードもつけた方が良いか?へのお答えですが、結論は「ご家庭による」です(笑)
上記の内容を参考に、各ご家庭で、予算やかけられる手間を考えて、ご判断ください。(身も蓋もなくてすみません)

 

おうち英語は、まずはとにかく「かけ流し」で、あとは、読みはそこまで急がない場合は不要ですし、他の絵本で工夫すれば代用も可能です。
ただ、2年分(アイラブリーディングまで進むなら4年分)の暗唱(音読)できる教材を探し回らなくて良い、という意味ではオススメです。

以上、パルキッズの教材選びの歳の参考になりましたら幸いです。

バイリンさるのサラミ
この記事の続編「暗唱しない子の暗唱の取り組み」も是非お読みください

パルキッズの教材は、このブログを通して購入されると、紹介特典と共に、私の主宰する「おうち英語の会」でもサポートさせていただきます。

紹介購入をご希望の方はこちらよりお問い合わせください。


「おうち英語で子供をバイリンガルに育てたいけど、一人でできるかどうか不安」というお母さん(お父さん)のために「おうち英語の会」をやっています。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

 


子供が無意識のうちに自然に英語をマスターし、バイリンガルに育つ「おうち英語」のやり方をお伝えする、10日間のメール講座です。